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今回のテーマは「階段」なんですが、いざ考えようとすると、何から考えればいいかわからないんですよね。皆さん、住まいの中の階段というものをどのようにとらえているんでしょう。 |
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単純に言うと、上下階をつないでいる段ですよね。まずは安全に上り下りできることが第一。
でも安全にしようとすると、階段って思った以上にスペースをとるんですよね。だからといって、ただ上と下をつなぐだけでは、ちょっともったいないなぁと思うんです。
前回の玄関もそうですけれど、階段なんかもなるべく小さくしたいという人が多いんですね。でも、はたしてそれでいいのかな、と。 |
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小さくするということは、安全を考えることとは相反することですよね。急勾配になるし、危険になっちゃう。どちらを優先させる方が多いんでしょう? 安全性と、合理性と。 |
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それはやっぱりね、土地の値段に関わってきます。土地の値段が高いところで家を建てようとされている方は、10センチでも有効に使いたいという思いがあるんですよ。
だけど、そういう場所だからこそ家族の安全を考えて、ゆったりつくって、ただ上り下りするだけではないということを考えていけたら、うまく活用できるんじゃないかなと思うんです。 |
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土地が狭いところで、できるだけ面積を取らずに安全策を考える方法ってあるんですか。 |
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手すりをつけるのが基本ですね。その際に、上りと下りの二段の手すりだと安全ですよ。持ちやすさが姿勢によって違いますから。
面積がとれる場合は、踊り場をつくることでしょうね。途中でほっと一息つける場所を設ける。直階段でも、途中に休む場所をとれば安全面ではずいぶん違います。あるいは、いちばん下の段を広めにとっておくとか。 |
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安全面ということになると、素人にはなかなかわからないんですよね。 |
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自分自身、それから自分の家族が使いやすいかどうかをまず一番に考えればいいと思いますよ。
段の高さや形状をモデルハウスなどで試してみて、少しでも「急だな」「怖いな」と感じたら変えてもらうこと。その場合も、家族全員で試してみることです。
足の下ろし方でも、かかとからの人と、つま先から下りる人では感じ方も違いますし、音も違いますよね。試してみて、もし家族のうち1人でも不安を感じたら、やめるべきでしょうね。 |
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昔の家は、玄関からすぐ直階段、というお宅が多かったように思うんですけど。 |
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昔の家というと……昭和30年代くらいの家でしょうか。それより昔の家になると、サザエさんの家もそうですけど、ほとんどが平屋だったでしょう。2階屋が出てきたのが、たぶん高度経済成長期といわれる昭和30年代。
そのころっていうのは、機能性・合理性だけの階段がほとんどなんですね。直階段で、2階に上がれればいいっていう。やっぱり、階段から転げ落ちる家庭内事故というのがすごく多かったわけです。
そんなことがあって、階段の安全性というものを考えるようになった。単なる移動の手段から、安全性を確保できるようになって、じゃあ次はそれをどう有効に使うか、その空間でどう遊ぶか、というところに来ているわけです。 |
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