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やっこ さん
30代の主婦であり、エンジニアとして働く会社員でもある。2014年に、1階にご主人の両親、2階にやっこさんご家族(ご主人+男児2人)が暮らす二世帯住宅を建てる。
家づくりの完成までの記録にとどまらず、完成後には図面では解らなかった使い勝手・デザインへの感想、また使いやすくするための細やかな工夫等の情報を公開し、新築を検討中の人たちに人気のブロガーさんです。
前回は、親世帯(夫両親)と子世帯(私たち夫婦+子ども)が同居していくうえでの両世帯の距離感のイメージ、そしてそのイメージを実現するための、親世帯LDKの扉と階段への要望について書きました。
今回は、その要望を受けて各設備がどのような仕様となったのか「現実」を書いてみたいと思います。
二世帯の接点である親世帯のリビングダイニングの扉。
要望として考えていた、
・できるだけ開口部が大きいこと
・閉じていても向こう側の様子が伝わる透け感のある扉であること
という2点を実現するために選んだ扉はこちらです(写真・A)。
2枚建てのスライディングウォールで、半透明アクリル面材のものとなります。 扉2枚分の幅は約170センチ(写真・B)。
天井から直接吊っているのでドア上に垂れ壁などなく、床から天井までドーンと半透明の扉がそびえたちます(写真・C)。
透け感がある素材なので、扉を閉めていても向こう側の様子が何となく見えるのが分かりますでしょうか。
親世帯のリビングダイニングから扉を開けてみると、共有スペースである玄関ホールとのつながりはこんな感じ(写真・D)。
扉2枚分フルオープンにはできないのですが、扉1枚分でも一般的なドアより幅も高さもあるため開口部は結構大きく、開けるとかなりの開放感。
季節によってはここをオープン状態のまま過ごすこともあり、そうすると隣接する玄関ホールとはひと続きの空間のようになります。
私たちが玄関から出入りする際にお互い逐一声を掛けることはありませんが、出入りする雰囲気は自然と親世帯に伝わっていると思いますし、扉を通した明るさや物音でリビングダイニング内の様子を私たち側から察することができています。
扉を閉めていても開けていても、玄関やホールを行き来する際に何となくお互いの様子が察知できる。というその距離感は当初考えていたイメージどおりで、このスライディングウォールは大満足の設備となりました(逆に言うと、両世帯でもう少し距離を置いて暮らしたい場合は不向きな扉とも言えますね)。
そして、もうひとつの設備は両世帯の中間にある階段。
階段への要望は、
・非オープンのボックス階段
・存在感を主張せず、周囲に溶け込む見た目
という2点でした。
この2点目の要望を実現するために、具体的な仕様として条件に挙げたのは次の2点です。
(1)踏み板は階段に接するフローリングと同じ(orできるだけ近い)質感・色
(2)蹴り込み部分は白
踏み板をフローリングの色と、蹴り込み部分を壁の色(白)とそれぞれ合わせることで周囲と一体化させよう!という思惑です。
…まぁ、でもよくありそうな「普通の階段」という感じの仕様ですね。
でも、わが家が契約したハウスメーカーでは、仕様のラインナップにこれを満たすような階段がなぜかなかったのです。
いわゆる「標準仕様」のフローリングに合わせた色味の階段しかラインナップになく、しかも蹴り込み部分は踏み板と同じ木目の色味のものだけ。
標準仕様とは別のフローリングを選択したわが家の仕様では、階段の踏み板とフローリングの色を合わせることができないというまさかの事態に…。
※現在は、踏み板や蹴り込み部分の色もラインナップが増えているそうです。
「普通のボックス階段なのに、色味が違って悪目立ちするなんて言語道断!!」という信念のもと、この「普通の階段」を実現するがために、ネットでリサーチ→サンプル取り寄せ→フローリングサンプルと比較というサイクルを何度か繰り返し、実現した階段がこちら。
中央付近で折り返すコの字型のタイプで、幅は約80センチ、Uターン部分は5段で折り返すとってもコンパクトな階段です。…こうして見ても、やっぱり「普通の階段」ですよね。
Uターン部分の段数などもう少しゆとりのある階段にできたらという思いもありましたが、その分階段の占めるスペースが大きくなってしまうので、居室の広さを優先して断念しました。
でも、希望通りフローリングと踏み板の色味はかなり近く、蹴り込み部分も白。踏み板はダークな色味ですが、蹴り込み部分の白さのおかげで重くなりすぎず抜け感が出たような気がします。
この階段を見ても誰も「こだわった階段だね!!」なんて言わないと思いますが、手間をかけて実現した仕様、そして標準外から選んだことでコストをかけたカ所ということもあって私としてはわりと満足。
行き来するだけの階段ですが、意外とお気に入りのスポットだったりします。やっぱり妥協せずこだわったカ所は、他人から見たらごく普通の仕上がりであっても満足度が高くなるものだな〜と思っています。
肝心の「両世帯の音が筒抜けになりすぎない」という点(これがボックス階段を選んだ理由でした)ですが…、意外とボックス階段でも生活音は伝わってるな〜というのが住んでからの実感です。
普通の会話や家事の音などはほとんど聞こえませんが、私たち世帯が発する子ども同士の喧嘩の声や子どもを叱る声のような大きめの音は階下にほぼ筒抜け状態。親世帯からすると「うるさいなぁ」と感じているかもしれませんね…。
なので「完全にイメージどおり!」とはいきませんでしたが、逆に言うとオープン階段であればもっと音が筒抜けであっただろうと推測されるので、ボックス階段を選択したことは正解だったとも思っています。
そんなわけで、リビングダイニングの扉と階段、ごく普通ながらささやかなこだわりのつまった2つの設備のおかげで、「両世帯の距離感」という点においては(住んでみないと分からない部分は多少あったとは言え)、概ねイメージ通りかな?という暮らしができています。
やっぱりあらかじめ二世帯での暮らしをあれこれイメージしていたのが良かった!と(手前みそながら)思う私なのでした。
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