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やっこ さん
30代の主婦であり、エンジニアとして働く会社員でもある。2014年に、1階にご主人の両親、2階にやっこさんご家族(ご主人+男児2人)が暮らす二世帯住宅を建てる。
家づくりの完成までの記録にとどまらず、完成後には図面では解らなかった使い勝手・デザインへの感想、また使いやすくするための細やかな工夫等の情報を公開し、新築を検討中の人たちに人気のブロガーさんです。
今回は、二世帯住宅であるわが家の、親世帯(夫両親)と子世帯(私たち夫婦+子供)をつなぐスペースについてです。
「家への希望とわが家の間取り」の回でも書いたように、わが家は1階に親世帯の居室+両世帯の共有部分(玄関・脱衣室・浴室)、階段を上がった2階に子世帯の居室という間取りとなっています。いわゆる一部共有型の二世帯住宅の間取りです。
つまり、玄関からホール、そして階段へと続くスペースを介して、両世帯が過ごす居室が位置しているわけです。
このスペース、ただの通り道ではあるものの、わが家の間取りにおいては両世帯の接点となるスペースとも言えます。そのため、「親世帯と私たち世帯がどのくらいの距離感で暮らしていくのか?」というスタンスがこのスペースの建具や設備選定のポイントともなりました。
一言で「二世帯住宅で親世帯・子世帯が同居」と言っても、間取りによって完全分離型、一部共有型、完全共有型といろいろなパターンがあって、それによって二世帯の距離感も変わってきます。
そして、一部共有型の中でも、どこまでのスペースを共有とするかで二世帯の距離感はまた変わってくると思います。
わが家は、玄関・浴室周りは共有、LDK・洗面室・各々の寝室などは別という間取りなので、基本的には日々の暮らし(食事や団らんタイム、諸々の家事など)は各世帯で別に営む暮らしを想定した造りとなっています。
その「基本的には別々」という暮らしの中でも、
●できるだけお互い干渉せずに、生活音も伝わらないように暮らすのか
●頻繁に行き来して、お互いの様子が手に取るように分かるように暮らすのか
と距離の取り方には幅があるかと思います。
暮らしてみないとどのくらいの距離感がちょうどよいのかは分からないですが、検討時に私が思い描いていたイメージは、この2つの中間、でもちょっと後者寄りかな?という感じです。
用もないのに行き来するほど密な関係ではないけれど、気を遣うことなくお互いのスペースは行き来できるくらいの距離感。今どんな風に過ごしているのか?というのが筒抜けにならない程度に程よく伝わる距離感。と言ったところでしょうか。
そして、今後の子どもたちの成長に伴い、共働きである私たち夫婦が不在、夫両親と子どもたちだけが在宅という場面も多くなると思ったので、夫両親、子どもたち双方にお互いの様子が分かるように過ごしてほしい、自然とそうなるような家の造りにしたいという思いもありました。
というわけで、両世帯の間をつなぐこのスペース、「選ぶ」というほど設備があるわけではないのですが、上で書いたようなイメージの実現のために着目したのが次の2つです。
この扉がまさに両世帯の主な接点となりますね。この扉を介してお互いの世帯の様子を程よく把握するために、要望として考えたことは、
・できるだけ開口部が大きいこと
・閉じていても向こう側の様子が伝わる透け感のある扉であること
という2点でした。
もうひとつは、1階から子世帯の居室へとつながる階段。 当初は主役級の存在感があるオープン階段がいいな〜なんて注文住宅ならではの憧れもあったのですが、ここは接点(1)のリビングダイニングの扉とは逆の理由でオープン階段を断念し、壁に囲まれた普通のボックス階段を選択することとなりました。
逆の理由…つまりオープン階段のような1階、2階のつながりを感じすぎる階段だと、何もかも筒抜け状態になってお互いのプライバシーを確保できなくなるかな?という理由です。
間取りを見ていただくと分かるように、わが家は階段で2階に上がるとホールや廊下などのワンクッションがなく即LDKに入るようになっています。
それに加えてさらに階段までオープンな造りにすると、かなり騒がしい私たち世帯の生活音が丸聞こえになってしまい、親世帯には騒音ストレスになるかなぁと感じたのです。
というわけで、非オープンであることを重視した結果、階段にはビジュアル的な要素を求められなくなりました。それならば、と私が階段への要望として挙げたことは、 強く主張せず、周囲から浮かずに自然にたたずんでいて欲しい。 ということです。
なんじゃそりゃ?普通に選んだらそうなるんじゃないの?と思われるかもしれませんし、実際出来上がった階段もごくごく普通のもの。でも、ハウスメーカーの標準仕様という壁に阻まれ、意外とこれを実現するのに苦労したのです…。
ということで、それぞれの希望を実現するために選んだ扉と階段の仕様について、次回は書いてみたいと思います!
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