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やっこ さん
30代の主婦であり、エンジニアとして働く会社員でもある。2014年に、1階にご主人の両親、2階にやっこさんご家族(ご主人+男児2人)が暮らす二世帯住宅を建てる。
家づくりの完成までの記録にとどまらず、完成後には図面では解らなかった使い勝手・デザインへの感想、また使いやすくするための細やかな工夫等の情報を公開し、新築を検討中の人たちに人気のブロガーさんです。
それでは、わが家の各スペースを順番にご覧いただきたいと思います!
まずは玄関から。
そう、玄関…。ここは検討中も、そして完成してからも、わが家にとって最も理想と現実がせめぎ合う場所のひとつとなりました。
語り始めると止まらないので、旧居のマンションで抱えていた玄関への不満と、それを踏まえた新居玄関への要望から見ていきます。
前回も書いたように、旧居は新築で購入した分譲マンションでした。北側に玄関、南側にLDK、そして玄関とLDKをつなぐ廊下の左右に洋室や洗面室が並ぶという、超絶一般的なマンションの間取り(旧居の間取り図参照)ながら、さしたる不満はなく総じて快適な暮らしを送っていました。
…が!唯一暮らしやすさと言う点において大きな不満があったのが、この玄関です。不満なポイントを挙げていくとキリがないのですが、主たる点は次の3つでした。
(1)暗い!
北側に位置する上に窓もなく、昼間でも真っ暗。気分的に若干どんよりする空間で、明るい玄関への切望感が常にありました。
(2)狭い!
廊下と同じ幅しかない、とにかく間口の狭い玄関。家族4人が同時に出入りしようとするといつも後ろがつまってしまい、慌ただしい朝などは超!ストレスフルでした。
(3)何をするにも靴を履かなければできない!
土間部分のみに接する配置で玄関ドア・靴入れ・ミラーがあるために、これらを使うためにその都度靴を履く必要がありました。なんてことないようで、これが地味にストレスでして。
・夫が出かけるのを見送った後、鍵を閉めるためだけに靴を履く。
・宅配便受け取り時、段ボールを受け取ってサインするためだけに靴を履く。
・出かける前、昨日履いた靴をしまって今日履く靴を出すためだけに(別の)靴を履く。
・服を着て全身のバランスをチェックするためだけに靴を履く。
あぁ、なんてめんどうなのでしょう…!
こういう細々した玄関での諸作業のために、いちいち靴を履かなければならない位置関係が大きな不満だったのでした。
そんなわけで、必然的に新居の玄関への要望は「旧居での不満点をクリアする!」という点に重きが置かれることとなりました。
当時の要望を書き出してみましょう。
(1)明るい玄関
旧居での暗い玄関への不満を踏まえ、とにかく光の差し込む明るい玄関にしたい!という要望です。そのために採光できるタイプの玄関ドア&窓の設置がマスト条件でした。
(2)広い玄関
旧居での狭い玄関で感じていた出入りの際のストレスを軽減するために、家族みんなで一斉に出入りしてもストレスフリーな広い空間が欲しい!という要望です。
予算や家の大きさには限りがありますが、その制限の中で可能な限り広いスペースを玄関に確保したいと考えていました。
(3)靴を脱いでいても履いていても「玄関ドアの開閉」「ドア鍵の解錠・施錠」「靴の出し入れ」「ミラーでの全身チェック」ができる
はい、「靴を脱いでいても履いていても」四連発です。これもまた旧居での不満から来た要望です。こういった玄関での作業をいちいち靴を履かなくても(そしてもちろん履いていても)できるように、各設備の位置関係をきちんと考えたい!と思ったわけです。
(4)コート・上着を掛けられる収納
二世帯住宅のわが家、私たち世帯(子世帯)のメインの生活場所は2階となります。そのため、コート・上着の類をいちいち2階まで持ちこまなくてもいいように、玄関から家に入ったらその場で上着を掛け、出かけるときは玄関で上着を着られるようにしたいと考えていました。
(5) ウォークスルーの土間収納
昨今の注文住宅では土間収納はもはや定番でしょうか。当時はベビーカーや三輪車を使用していたのですが、マンションの狭い玄関では置き場に困っており、これらのものを置いておける土間収納があればいいなと思いました。
なおかつウォークスルータイプでファミリー玄関として使えれば、メインの玄関は常にスッキリ保てるはず!なんて淡い夢を抱いたりも。
では、実際できあがった玄関をご覧ください。
玄関の間取りや、外観、内観はこのようになっています。
ここでいろいろ突っ込みどころはあると思いますが、いったん置いておいて、上で挙げた各要望がかなっているのかを見ていきましょう。
(1)明るい玄関
当初要望に沿って、玄関ドアは採光できるタイプを採用し、小さいながら窓も設置しました。そして、玄関に接する1階親世帯LDKから入り口に光を通すスライディングウォールを採用したこともあって(これが一番効果大だったように思います)、かなり明るい玄関となりました!
LDKなどの居室と変わらないくらい、明るくて清々とした空間になり、この点は大満足。
(2)広い玄関
広さは玄関全体で2.5畳程度。もう少し広くしたかったという思いはありますが、とは言え居室側の広さもあまり犠牲にはしたくなかったので、ここが落としどころとなりました。
ある程度の空間は確保できたことで出入りの際のストレスは激減しましたし、旧居のように「廊下の端にある玄関」ではなく「玄関ホール」という半独立空間にできたこともあって、広さへの満足度はそれなりに高いです。
(3)靴を脱いでいても履いていても…の四要望
この要望を叶えるために、敢えて土間の広さを犠牲にして玄関ドアの横まで床部分を延長するように変更しました。
なぜなら、この延長した床部分があることで、靴を履いていなくても「玄関ドアの開閉」「ドア鍵の解錠・施錠」「ミラーでの全身チェック」が可能になるからです!
そして、床のこの部分に立てば、一応靴入れのほぼ全ての扉に手が届きますので、靴を履いていなくても「靴の出し入れ」も可能です。
ということで、玄関ドア・ミラー・収納と土間・床部分の位置関係によって、土間側からも床側からもいろいろな作業ができるようになったこと。ささいなことですが、私にとってはすごくストレスフリーになりました。
ただ、その分土間が狭くなっていますので、見た目的に若干せせこましくなっているのは残念ポイントですかね。
土間を贅沢に広く取った素敵なお家の写真を見たりすると、あぁもうちょっと土間を広くすれば良かったかなぁと思うときもあります(いまだに)。
使い勝手を取るか、見た目を取るか、それとも両方を叶えるためにもっと頭を絞るべきだったか…。家づくりは難しいですね。
(4)コート・上着を掛けられる収納
靴入れの奥に小さなクローゼットを設けました。収納内部の幅は110センチ程度。大型収納!とは言い難いですが、コート類をかけるのには十分な広さで、その他の用途にも便利に使っております。
(5)ウォークスルーの土間収納
ここまでの写真を見て分かるとおり、こちらの要望は途中で断念しました…。
いろいろ詳細を検討していくうちに「ウォークイン」「ウォークスルー」系の収納は通り抜ける幅がもったいないかな?と感じたことと、あまりアウトドア活動をしないわが家の場合、土間に置きたいものってベビーカーや三輪車など期間限定のものしか思い当らなかったことなどから、優先順位がぐっと下がり、結局採用には至りませんでした。
玄関の仕様は以上です。旧居の不満点をクリアできたこと、土間収納以外は要望をほぼ満たせているということもあり、実際に暮らしながらも使い勝手はとても良いと感じています。
でも、でも…。使い勝手は別として、図面上で検討している段階では気付かず、完成してみて始めて気付き愕然とした残念ポイントがいくつかあったのです…。
その残念ポイントについて次回は書いてみたいと思います!
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