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ホーム マイホームへようこそ > 第2回 空間のつながりは、家族のつながり。家族を中心に人の輪が広がっていく家

空間のつながりは、家族のつながり。家族を中心に人の輪が広がっていく家  
大阪府高槻市Oさん邸
「サロンのような家」を作りたかったというOさん。
家族のふれあいを大切にし、家族が招くお客さまには精一杯のおもてなしをしたい。大阪府高槻市にあるお宅は、そんなOさんの思いが凝縮された、こだわりいっぱいの家でした。
家を建ててから9年の歳月が過ぎた今、Oさんご夫婦に購入当時のこだわりと家づくりに至るさまざまな苦労、そして現在の暮らしについて伺ってみました。
一緒に暮らす家族にも気配りは必要。そのためには、まず相手の気配を感じること
一緒に暮らす家族にも気配りは必要。そのためには、まず相手の気配を感じること
どういうイメージをもって家を設計されたのですか?
「うーん。やっぱり家族が集まる広間を作りたかったですね。たまには友人を招いてパーティーを開けるような。
子供は、大人の会話を聞くことで親の仕事や人間関係を知ることができます。友達の輪も広がりますし、それぞれの立場を尊重できるようにもなると思うんです」
それが吹き抜けのあるリビングですね。
「できるだけ広く開放的な空間にしたかったので、天井をなくして、屋根までの吹き抜けにしました。それぞれが家族の気配を感じ、気配りができる家にしたかったんです」
「屋根の天窓から月や星がよく見えます。家の中に誰もいないときは、その光景を独り占めしているのがもったいないくらい。
天窓は寝室にも付いているので、星空を眺めながら眠ることも。つい最近、開けっ放しにして寝てしまい、途中で雨が降ってきて濡れてしまったこともありましたが」
「そうそう(笑)」
このテーブルも素敵ですね。
「端材を使って作ってもらいました。小さな木を継ぎ合わせると、大幅なコストダウンになるんですよ。20人腰掛けることができるので、パーティーのとき活躍します」
「正方形のほうは、切り離して和室の掘りごたつ用にも使えるように、サイズを調整しています」
さっきから気になっていたんですが、和室がとてもいい雰囲気ですね。リビングと隣接しているのに、この部屋に入るとまるで隠れ家か離れにいるように落ち着きます。
「たぶん、天井が低いからだと思います。和室は天井が低い方が落ち着くので、床を上げてもらってるんです。床を上げると床下収納も作ることができて、一石二鳥。おすすめです」
「建てた当初は、もっとすっきりしてたんですけど。主人が趣味でやっている陶芸の作品や、海外旅行で買ってきた小物や雑貨が増えてきて、ごちゃごちゃしてきました」
「この家、収納が少なめだから。和室の床下と、階段下と、16畳のロフトしかない。今やどこもいっぱい(笑)」
2階の踊り場は多目的スペースになっているんですね。
「当初は私が書斎として使っていました。娘二人の部屋に隣接しているため、二人とも部屋に出入りするには私の前を通らないといけません。子供たちといつもコミュニケーションが取れるようにと考えました」
子供部屋にはどんな工夫を?
「完全に孤立しないよう、3階にあたる部分を共通で使えるスペース(ロフト)にして、互いの部屋を行き来できるようにしました」
「今は娘の一人が巣立っていきましたので、主人は娘の部屋に移動し、私が代わりにこのスペースを使っています。散乱しているのは、私が教えているダンスやピラティスで使う道具です」
「10年前の阪神大震災で地震の怖さを思い知り、本棚はすべて造り付けにしました。本の重さに耐えられるよう、床を補強しています」
大阪府高槻市Oさんご夫婦
一緒に暮らす家族にも気配りは必要。そのためには、まず相手の気配を感じること
リビング
 
和室
 
書斎
土地を購入したものの、理想と現実の間で悩む日々……。こだわりが多いだけ、ジレンマや葛藤も多かった。
こちらに新居を構えられる前は、マンション住まいだったそうですね。
「高槻市内の分譲マンションに住んでいました。子供が大きくなって部屋が狭くなったことや、来客を迎えるスペースがなかったことなど、転居の理由はいろいろあったのですが、当時こっそり飼っていたウサギが管理人に見つかってしまったことも、大きな理由のひとつです(笑)」
「家族でかわいがっていたウサギなので、処分するわけにもいきませんし。じゃあ引っ越そう、ということになって」
「一度、自分の家を設計してみたかった、というのもありますね。仕事で住宅設計を手がけたことはありませんが、建築士の免許を持っているんです。
土地を決めた後、通勤時間を利用して2か月で図面を作成しました」
それなら、一般の方より苦労は少なかったのでは?
「とんでもない。知識がある分、ジレンマや葛藤も多かったですよ。いろいろなことをやってみたいと思う反面、どのくらいコストがかかるか事前にわかってしまうから、諦めざるを得なくて」
「主人の理想は古民家の『倉』のような家だったんですけど、いろいろな制限があって思い通りにはいかなかったみたいです」
「一番悔やまれるのは、建築条件付きの土地を購入してしまったことです。
建築条件付きの土地ではあらかじめ施工会社が決められていて、建具なども施工会社が契約しているメーカーのものしか選べません。ほかにも何かと制約が多く、なかなか自分のしたいようにはできませんでした。
自分が持っているこだわりを自分の家に反映できないというのは辛いですよ。リビングの2本の柱は本当は大黒柱ふうにしたかったし、扉は無垢材を使った木の扉にしたかった。建材はすべて規制のものを使いましたが、自分で作りたかったですね」
奥さまの注文は?
「私はあまりこだわらないほうなので、特にはなかったです。主人はその都度、これでいいかどうか聞いてくれましたけど。
この家に不満があるとしたらひとつだけ。洗濯物を干すバルコニーが狭いこと!
インナーバルコニーは主人のこだわりのひとつだったようなのですが、私は青空の見える広々としたところで洗濯物を干したかったですね」
スケッチ
 
模型
 
間取り図
 
 
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ページ公開日:2006年12月21日
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