家事に育児に仕事に……毎日忙しいお母さんのホンネとは? 「お母さんのひとりごと」は、一般公募で選ばれたお母さんたちによるリレーエッセイです。
社会人経験も少なく、精神的にもまだまだ子供だった18歳のときに子供を授かりました。妊娠したときは特に「責任」というものに実感がわかず、ただ「妊娠した。よし、産もう!」と、本当に単純な考えでした。
当時主人はまだ大学生。大学に通いつつバイトで生活費を稼ぎ、私は妊娠7カ月まで事務員として働き出産費用を稼いでいました。
娘は予定より2週間も早く私達の腕に抱かれました。2500gないその小さな体を抱くと、ものすごくか弱く、脆い存在でした。「この子は私たちがいないと生きていけないんだ」娘を出産してやっと「親」としての自覚と責任を知りました。
娘を出産後は順調な生活でした。主人も大学在学中に就職先で働かせてもらえ、生活は安定。娘も夜泣きなど少なく手のかからない子でした。しかし、主人以外とはしゃべらない生活が続き、世界で自分だけが取り残された気持ちになったり、まだまだ遊びまわっている友人を羨ましく思ったり……ひとりで泣いてしまう日が増えました。子育ては辛くないし子供も愛しい。だけどどうしようもない寂しさが心にありました。
それでも娘が成長すればそんな寂しい心も少しずつ埋まっていきました。一緒に散歩をしてちょっと遠出したり、少ない言葉でおしゃべりしたり……娘と出かけると毎日が新鮮でした。同じ花をずっと見ていたり電車が来ると立ち止まって手を振ったり、空を見上げて「モクモクがはやいね〜」「星がずっとついてくるね〜」など、今まで見ていたものが子供色に染まっていきまいた。
その娘も今年で5歳。できることもやりたいことも増え「自分」というものがどんどん成長していっています。どこで覚えてきたのか汚い言葉も使うし、嘘もつくようになったし、言い訳もするし……私もほぼ毎日、カミナリを落としています。あのかわいかった娘はどこへ〜!? とふと昔が懐かしくなったりします。
この5年間はあっという間の出来事でした。でも娘が立派になって巣立っていくにはまだまだ時間があります。主人と娘と協力して、泣いて笑って、たくさん思い出をつくって「パパとママの子供でよかった」と胸を張って娘が言えるくらい幸せな時を過ごしていけたら……これ以上の幸せはないですね。
◆前回の執筆者からの質問
「お子さん(男女問わず)と将来同居したいですか?」への回答◆
完全二世帯なら同居してもいいかと思っています
自分は親ばかだな、と思った瞬間はどんな時ですか?
アヤさん
福岡県在住。24歳、主人(26)娘(4)の3人暮らし。
編み物・読書が趣味です。