堂 剛(どう つよし)
東京生まれ。イタリア・フィレンツェ在住。2004年にイタリア中部小都市オルヴィエートに移住、その後フィレンツェに移る。
webデザイン、ライター、翻訳、コーディネーター等の仕事に従事しながら、イタリアのレストランやホテル、生活の情報を日本へ伝えるウェブサイトを運営。
イタリア情報サイト「アーモイタリア」
自ら足を運んで取材したレポートがたくさん掲載されています。
http://www.amoitalia.com/
イタリア生活日記
http://blog.belgiappone.com/
イタリアの緯度は日本とほぼ同じで、日本のように四季があります。
一年の最大イベントの夏休みが終わると新学期が始まり、実りの秋の到来です。学校や職場ではバカンスの日焼け比べが行われ、山畑では秋の味覚の収穫が始まります。ポルチーニ茸やトリュフなどグルメなイタリア人たちが心踊らす食材が市場に出回りますが、一番の関心事はやはりぶどうのできです。
ワイン生産量が世界一位のイタリアでは、ぶどうの良し悪しは翌年の経済動向にも影響を与えます。今回はそんな大切なぶどう摘みに誘われてお手伝いをしてきました。
9月終わりの晴れた日、知人農家から恒例のぶどう摘み(vendemmia)を手伝いに来ないかと誘いを受けました。すぐにOKの返事。
重労働ですしアルバイト料も出ませんが、仕事のあとの昼食会が魅力的なのです。大人数で働いた後、みんなで大きなテーブルを囲みワインと料理を楽しみます。まるで映画で見る古き良きイタリアって感じですね。
今回訪れたブドウ畑はフィレンツェからバスでわずか30分の「GALLUZZO」という小さな町にあります。世界遺産のすぐとなりにブドウ畑が広がるというのも、さすがワイン王国ですね。
近年イタリアでは高齢化による人手不足と採算維持の難しさにより、小さなワイナリーは減少傾向にあります。
今回声をかけてくれたご夫妻も、夫のジャンニさんは不動産経営、奥さんのオレッタさんは手芸作家が本業で、その傍ら70年続く小さな畑で少量のワインを生産しています。
少量と言っても今回摘んだブドウは800キロ!数ヶ月後には約600リットルの赤ワインが醸造されますよ。もちろん家族だけでは消費しきれず、地元の人たちにも販売しています。5リットルで12ユーロ(約1,400円)、安いです!
朝9時半に畑に到着すると、すでに先陣が作業を始めていました。僕たちも長靴と軍手に摘果ばさみを持っていざ出陣。
ぶどうの収穫方法はいたってシンプルで、枝に生っているぶどうの房をハサミで切りバケツに貯めていくだけ。美味しいワインを作るには美味しいぶどうだけを選ぶ必要があります。カビていたり、乾燥したぶどうは収穫しません。
皆さんワイン用のぶどうの味ってご存じですか。
今回摘んだブドウはサンジョベーゼ種とカナイオーロ種というトスカーナでよく栽培される黒ブドウ(赤ワイン用ぶどう)です。
一粒口に入れてみると驚くほど甘い!粒は小さく種も多いですが、青果店で売っているぶどうよりずっと味が濃くて力強いです。まさに旬の味!
4時間しっかり働いて、腰も痛くなった頃にすべての実が摘み終わりました。集めたブドウはすぐに専用マシンで茎や葉を取り除き、熟成用のステンレスタンクに注がれていきます。
そして待ちに待った昼食会。作業を手伝った近所の人、親戚が一同にあつまって、ワイワイがやがやと大宴会が始まります。
採れたての野菜と焼きたてのパン、近所で作っている生ハムやイノシシのサラミなど、質素で贅沢なトスカーナ料理がテーブルに並びます。
デザートを食べ終えると、先ほど絞ったぶどうジュースをみんなで試飲します。
発酵前のワインは「モスト(Mosto)」と呼ばれ、ワインの出来を占う重要な確認作業です。
皮の色で少し赤味がかった果汁は甘く、ワインの成功の予感にみんな笑顔になるのでした。
イエマガで人気のキーワード 間取り:「間取り」のもくじ >> 太陽光発電:太陽光発電のある家 >> |
キッチン:わが家のキッチンプラン >> |
土地探し:土地探しの10のコツ >> 地盤改良:調査と口コミ >> 業者選び:業者との出会い >> 構造・建材:耐震ワンポイント講座 >> |
マンガ:おうち大好き >> お役立ち:家づくりノート >> |
|||||