堂 剛(どう つよし)
東京生まれ。イタリア・フィレンツェ在住。2004年にイタリア中部小都市オルヴィエートに移住、その後フィレンツェに移る。
webデザイン、ライター、翻訳、コーディネーター等の仕事に従事しながら、イタリアのレストランやホテル、生活の情報を日本へ伝えるウェブサイトを運営。
イタリア情報サイト「アーモイタリア」
自ら足を運んで取材したレポートがたくさん掲載されています。
http://www.amoitalia.com/
イタリア生活日記
http://blog.belgiappone.com/
あまり知られていませんがイタリアの乗用車普及率は世界一だそうです。100人あたり61台という数は日本の保有率の1.3倍以上にあたり、複数持つ家庭は通勤にコンパクトカー、週末はSUVと乗り分けてカーライフを楽しみます。
そんな自動車大国イタリアでも景気悪化とエコ意識の高まりから、近年クリーンなライフスタイルが注目されています。自動車を自宅のガレージに残し、自転車で通勤する人が徐々に増えてきたのです。
そもそもイタリアはガソリン価格が高く、原油価格の下がった今でも1リットル1.5ユーロ(約180円)。若者は給料の1/3がガソリン代に消えると言われています。
また交通規制も追い風となっています。渋滞や大気汚染が問題となっていて、ほとんどの町の中心が一般車の通行禁止地区。車は町の入口に停める必要があり、それならバスや自転車を上手に活用しようと思い始めたのです。
しかしながら自転車ブームの前に大きく立ちはだかる問題もあります。それが自転車泥棒たち。
役所の広告貼りの仕事をようやく手にしたアントニオが、仕事に不可欠な自転車を盗まれ、6才の息子ブルーノとローマの街を歩き回って自転車を探す物語。これは戦後の貧困を写したイタリア映画の名作「自転車泥棒」のストーリーですが、70年経った今もこの泥棒たちに悩まされています。
統計によると、イタリアでは3人に2人が盗難被害にあっていて、消えてなくなる自転車の数は1日で実に3000台、年間100万台にものぼるというから驚きです。
一方、自転車台数もはるかに多い日本での盗難数は年間40万台ですから、いかにイタリアの盗難数が多いかが良く分かります。近年の自転車ブームと高級志向によって、さらに盗難率が上がってきているそうです。
イタリアの各自治体でも徐々に自転車登録制度が始まりましたが、周知不足と値段からまだまだ利用者は少ないようです。登録制度以前にイタリアでは盗難届けを出す人が5人に1人ととても低くく、この事実がイタリアを「自転車泥棒天国」にさせているとも言われています。
盗まれた自転車はすぐに闇マーケットで取引され、翌日には定価2万円の自転車が5,000円で売られます。盗まれた人もこのマーケットを利用して中古車を買うため、悪循環はまさに途切れることのない自転車のチェーンのようです。
ちなみに自転車利用率の高い他のヨーロッパ諸国でも、盗難車数はイタリアの半数程度に抑えられています。それらの国では被害届け率が70%と高いのが犯罪数抑制の要因になっていると言われています。
先日、僕の友人マルコは買ったばかりの自転車をわずか2カ月で盗まれてしまいました。朝の出勤時に無残に切断されたワイヤーを見て愕然としたそうです。
警察に聞けば、窃盗犯たちは強力なボルトカッターを使い、やわなワイヤーはハサミで麻ひもを切るようなものだそうです。
彼は今1本2キロもする頑丈な鎖を2本持ち歩いています。毎日足腰が鍛えられるよと苦笑いしていました。自転車は分解されて売られることも多いので、フレームだけでなく前後のタイヤもロックし、長時間停める場合はサドルを外しておくという念の入れよう。これは高級自転車の話でなく、古いママチャリも同様の手口で窃盗の餌食となります。
早く防犯システムが普及するといいねと慰めると、マルコはため息混じりに、イタリアの警察官はサボってばかりだから、あと100年は変わらないよと諦め顔で答えていました。
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