堂 剛(どう つよし)
東京生まれ。イタリア・フィレンツェ在住。2004年にイタリア中部小都市オルヴィエートに移住、その後フィレンツェに移る。
webデザイン、ライター、翻訳、コーディネーター等の仕事に従事しながら、イタリアのレストランやホテル、生活の情報を日本へ伝えるウェブサイトを運営。
イタリア情報サイト「アーモイタリア」
自ら足を運んで取材したレポートがたくさん掲載されています。
http://www.amoitalia.com/
イタリア生活日記
http://blog.belgiappone.com/
イタリア中部、トスカーナ州の州都フィレンツェ(英語名フローレンス)という名前は、古代ローマ時代に花の女神フローラから名付けられたと言われています。町の中心に位置する大聖堂の正式名称は「花の聖母教会(サンタ・マリア・デル・フィオーレ)」、町の紋章は「百合(ジーリオ)」と花づくしです。
フィレンツェの町を歩いていると、ときおり風にのってふわりと花の甘い香りが漂ってきます。香りの元をたどればファルマチア(Farmacia=薬局)の文字。
そう、フィレンツェには世界最古の薬局と言われる「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」をはじめ、老舗薬局が多く残り、多種多様のフレグランスを売っています。今回は美しい老舗薬局とフィレンツェの香りを紹介します。
もっとも有名な老舗薬局が日本にも支店をもつ「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」です。
約800年前の1221年、フィレンツェに移住してきたドミニコ会の修道院 が栽培した薬草を調合して薬を作ったのが始まりとされています。この修道院はその後、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会へと発展し、フィレンツェで最も重要な教会の一つとなりました。
メディチ家のカテリーナがフランス王家へ嫁いだ時に持参したのが、このサンタ・マリア・ノヴェッラの調香師が特別に用意した香水「アックア・デッラ・レジーナ(Acqua della Regina)」です。
この香りは「王妃の水」と讚えられ、400年以上経った今も当時と同じ調合のオーデコロンが売られているんですよ。
歴史あるサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局は建物自体もゴージャスです。天井からは大きなシャンデリアがさがり、壁には修道院長をはじめ歴代の主の肖像画、さらには美しいフレスコ画が描かれた礼拝堂まであります。
香りの力は偉大で、使い込まれた飴色の調度品と甘い香りに包まれると、それだけで良い気分になってきます。
オーデコロン、ローズウォーター、ポプリなど人気商品はたくさんありますが、香りを使った変わり種商品も多いです。
例えばザクロの香り付きバスソルトは日本人にも人気で、粒の大きな岩塩を大さじ2杯ほどお風呂に入れれば、瞬く間に浴室が甘くて爽やかなザクロの香りに包まれます。まさに王妃の気分に浸れます。
ヨーロッパで香りの文化が発展したのは、その風土と気候にあると言われています。古代ローマ時代に流行った大衆浴場は禁欲的な考えのキリスト教の広がりとともに徐々に廃れていきました。
そもそもヨーロッパでは湿度が低く汗をあまりかかないため、入浴自体をあまり必要としません。今もイタリアではシャワーを週に2、3回しか浴びない人が多いです。
そうした習慣から体臭カバーするように香水が発明され進化をとげました。
歴史あるフィレンツェの町にはたくさんのファルマチア(薬局)のほか、プロフメリア(香水店)やエルボリステリア(薬草専門店)などがあります。
いずれも香りとは深い関係があります。薬草店は日本ではあまり聞き慣れませんが、ヨーロッパでは人々の生活に根ざしていて、植物の知識が豊富な薬剤師がその人に合った煎じ薬やハーブを調合してくれます。
地元の人が通う店だけあって値段も手頃に自然派基礎化粧品や石鹸、ポプリなどが購入できます。
ヨーロッパを旅したらその国、その土地で人気の香りを見つけるのも楽しいです。アロマやルームフレグランスを購入すれば、日本に帰ったあとも遠い異国の香りと旅の思い出に浸ることができますよ。
イエマガで人気のキーワード 間取り:「間取り」のもくじ >> 太陽光発電:太陽光発電のある家 >> |
キッチン:わが家のキッチンプラン >> |
土地探し:土地探しの10のコツ >> 地盤改良:調査と口コミ >> 業者選び:業者との出会い >> 構造・建材:耐震ワンポイント講座 >> |
マンガ:おうち大好き >> お役立ち:家づくりノート >> |
|||||