堂 剛(どう つよし)
東京生まれ。イタリア・フィレンツェ在住。2004年にイタリア中部小都市オルヴィエートに移住、その後フィレンツェに移る。
webデザイン、ライター、翻訳、コーディネーター等の仕事に従事しながら、イタリアのレストランやホテル、生活の情報を日本へ伝えるウェブサイトを運営。
イタリア情報サイト「アーモイタリア」
自ら足を運んで取材したレポートがたくさん掲載されています。
http://www.amoitalia.com/
イタリア生活日記
http://blog.belgiappone.com/
イタリア人にとって欠かせないものにバール(コーヒーショップ)があります。
日本人には想像できないでしょうが「バールのカフェがなければ生きてゆけない、マンマの料理と同じだ」と真顔で語るイタリア人もいるほど。子どもの頃はバールでドルチェをねだり、学生になると立ち飲みカフェを覚えます。
社会人の朝は香り立つ一杯のカフェからスタートします。どんなに急いでいようとも毎朝決まったバールに立ち寄り、クロワッサンとカプチーノを飲んで職場に向かうのです。
中にクリームやジャムがたっぷり入ったクロワッサンとカプチーノで糖分を補給して仕事や勉強に挑みます。
毎朝通う大切なバール、当然ながら誰もが自分のお気に入りのバールを持っています。それを「Mio bar(ミオ・バール=私のバール)」と呼びます。
余程のことがない限り浮気なんてしません。馴染みのバリスタが煎れるいつものカフェが大切なのです。朝食はもちろん、ランチにパニーノを食べ、夕方は友達と軽くワインやカクテルを楽しむのもミオ・バール。
ちょっと旅行に行くとミオ・バールが恋しいと嘆きます。それほどイタリア人にとってバールは大切な存在なんです。
カフェの種類にもイタリア人のこだわりが詰まってます。イタリアでカフェを注文すると、小さいデミタスカップに入った濃いエスプレッソが出てきます。エスプレッソが基本。イタリア人はアメリカ風のコーヒーを、香りも薄くて水っぽいと鼻で笑います。
飲み方もバラエティーに富んでいて、カフェ(=エスプレッソ)を筆頭に、ミルクを数滴垂らしたカフェ・マキアート、泡立てたミルクを注いだカプチーノ、ホットミルクで割ったカッフェラッテ、ミルクに少量のカフェを垂らしたラッテ・マキアート、さらにはエスプレッソにアルコールを入れるとカフェ・コレット、ホイップクリームをのせたカッフェ・コン・パンナ、お湯で割ったカフェ・アメリカーノなど。数え上げたらきりがないほど。
苦いエスプレッソが苦手という人はカプチーノ・ドルゾがおすすめ。コーヒー豆を使わず、焙煎した大麦で煎れるオルゾはカフェインが含まれていません。そのオルゾのカプチーノ仕立てはさらに口当たりがまろやかです。
イタリア全土には15万軒以上のバールがあると言われています。
当然そのすべてが美味しい訳ではありません。美味しい店には人が集まり、店外にはタバコを吸いながらおしゃべりを楽しむ人の群れができています。
回転の良いお店は豆の鮮度も保たれていて香りが一段と良いですし、バリスタの腕も間違いありません。建物がゴージャスな老舗バールも高級感があっておすすめです。
どのバールに入っても立ち飲みなら1杯1ユーロ(130円)程度と変わりません。エスプレッソには砂糖を一袋しっかり入れましょう。甘みと苦味と香りが絶妙で、もうアメリカンには戻れなくなりますよ。
先日「スターバックスがイタリア初上陸」というニュースが届きました。
イタリアはスターバックスが存在しない数少ない国として知られ、こだわりの強いカフェ文化に入る余地がなかったと言われています。
濃いエスプレッソをミオ・バールで立ち飲みする人たちには、フレーバーの入ったコーヒーはあまりに違和感があったのでしょう。しかし、ここ数年で傾向が変わってきました。
ソファーが用意されたブックショップ併設のバールや、キッズスペースがメインのバール、さらには日本式の猫カフェまでが誕生しています。
2017年オープン予定のスタバ1号店が成功すれば、シアトル系カフェが一気に増えるかも知れませんね。ただ個人的には、昔ながらのカウンタースタイルとバリスタが煎れる本物の味もしっかり残っていって欲しいものです。
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