堂 剛(どう つよし)
東京生まれ。イタリア・フィレンツェ在住。2004年にイタリア中部小都市オルヴィエートに移住、その後フィレンツェに移る。
webデザイン、ライター、翻訳、コーディネーター等の仕事に従事しながら、イタリアのレストランやホテル、生活の情報を日本へ伝えるウェブサイトを運営。
イタリア情報サイト「アーモイタリア」
自ら足を運んで取材したレポートがたくさん掲載されています。
http://www.amoitalia.com/
イタリア生活日記
http://blog.belgiappone.com/
オリーブオイルと聞くとイタリアをイメージする人が多いと思います。その想像通り、日本に輸入されているオリーブオイルの約6割がイタリア産で、その量はなんと年間2万トン!イタリアでの生産量はスペインに次いで第二位で、全世界の98%は地中海沿岸で生産されています。温暖な気候と強い日差し、そして爽やかな風がオリーブ栽培に最適なんですね。
オリーブの収穫は11月から2月がメインです。11月以降は新酒ワインと搾りたてのオリーブオイルが市場に出回り、イタリア人にとっての味覚の秋が到来します。
搾油所から届いたばかりのオリーブオイルは驚くほど色鮮やかなグリーンで香りも豊か、この時期だけの最高の贅沢が味わえます。焼きたてのバケットににんにくの切り口を擦りつけて、たっぷりのオリーブオイルと塩を少々ふりかければ、ワインの恰好のおつまみ「ブルスケッタ・クラッシカ」の完成です。想像を超える美味しさですよ。
ついつい美味しい話に逸れてしまいましたが、今回紹介したいのはオリーブオイルではなく、イタリアの家庭で使われるオリーブの木を使った木工用品です。
樹齢も長く、大切な財産として保護されているオリーブの木は、マーブル模様の木目が美しいため木工作品にも良く利用されます。堅い材質はナイフでも傷つきにくく水にも強いため、特にキッチン用品に向いているんですよ。
少々高価ですが使えば使うほど味が出るキッチンツールは、おばあちゃんから孫の代まで長く利用できます。歴史と伝統を重んじるイタリアのお国柄にピッタリですね。
今回はオルヴィエートというイタリア中部の小都市を訪ねてみました。この町は中世から続く丘上都市で、500年以上も変わらぬ町並みが残っている古都です。ワインやオリーブオイルの生産が盛んで、今もなお古くから続く工房やアトリアが軒を連ねています。
その中の一軒、パトリスさんの木工店を覗いてみましょう。店内に一歩入ると柔らかい木の香り包まれます。
サラダボウル、サラダサーバー、まな板、乳鉢、チョッパー、フォークやスプーンなど、手にしっとり馴染む見た目も美しいキッチン用品が並んでいます。これらはみな地元に残されたオリーブの木から作られています。
その美しい作品を作る木工職人たちも近年減少傾向にあります。パトリスさんの工房も数年前までは朝から晩までヤスリがけの音が絶えませんでしたが、最近は少し暇になってきたと嘆いていました。イタリアも核家族化が進み、伝統的なオリーブの木工品の出番も少なくなってきたそうです。
日本の100円ショップにあたる1ユーロショップも台頭して、キッチン用品は安価なプラスチック製品に取って変わりつつあります。若者の失業率の高さ、少子化など抱える問題も多いイタリアですが、後進の育成と技術の継承も急務となっています。
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