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本物がいいってわかっていても、やっぱり現実的には難しいというか……予算の関係で諦めざるをえないこともあると思うんですけど。 |
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そうですね。偽物といっても石は石、バッグはバッグですから、本物は本物なんですけどね。どこに価値を求めるかだけの話であって。
その中で、デザインという部分に関しては、プロと素人の差が出てくるかと思うんですよ。誰が庭を使うのかとか、周りの環境とか、そういうの全部聞き取って、住まう人にとって一番ベストな状態にしていくのがプロの仕事だと思うんです。 |
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コストをかけなくても、デザインの考え方とか空間の作り方を工夫すれば良いものができるってことですね。 |
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そうです。予算に合わせて柔軟に考えればいいと思います。洋服でもそうでしょ。コーディネーターがバシッと決めれば、どんな安い服を着てても格好良く見える(笑)。 |
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あ、それわかる(笑)。 |
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コーディネートの仕方で素材が生きてくるんですよ。ものを作るって、作り上げる過程を楽しんでいけば、基本は一緒なんですよね。 |
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実は、事前に行ったイエマガサポーターのガーデニングに関するアンケートで、一番多かった悩みが「センスがない」なんです。 |
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センスは……そうですねぇ。これは、磨くしかないですねぇ(笑)。 |
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田上さんが仕事をされていて、「この人センスあるなぁ」って感じるのはどんな庭ですか? |
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私の好みというのもありますけど、すっきりした庭ですかね。テラコッタなどのセンスのいい鉢を使っていても、ごちゃごちゃと鉢が密集してると汚く見えます。びっしり並べず、間を取ってあるとセンスいいなぁ、と。
あと、立体的に使われていること。多くの庭がそうなんですけど、平面的なんです。 |
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それは、あまり考えないですね。特に女性は、立体的な考え方ができない生き物なので。 |
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あー、そうですかね? これ参考になるかもしれないですけど、プロっていうのは何もないところに出来上がった庭が見えるんです。更地を前にしていても、完成した家や、庭の植木を頭の中で描けるというか。 |
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だいたいみんなそうだと思うんですけど、どこかの家で見かけてきれいだなって思った花を買ってきて、自分のところでも並べてみる。でもなんか違う。花の種類は同じなのに、自分ちではうまくいかないんです。 |
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よくあるのが、丸い大きな鉢の中央に背の高い木を置いて、その周りにぐるっとパンジーなんかの低い花を植えるという植え方。
でも、いつも鉢の周りをぐるっと見て回ったりしないでしょ。要はどこから見るか、ですよね。壁際に置くのなら、鉢の奥の方、壁に近いほうに背の高い木を植えて、手前に低い花を植えるわけです。 |
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どこから見るか、絵を描くような感覚なんですかね。 |
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そうですね。 |
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