高石陽子さん
これまでインテリアデザイナーとしてモデルルームや新築住宅、マンションリフォームなどのインテリアデザインに携わる。
さらに現在は個人邸の整理収納計画から音や香り、食器の選定なども含む店舗デザイン、セミナー講師など幅広い分野で活躍。インテリアの基礎を教えるインテリアサロンCASAも主宰。オランダ在住。
Yoko Takaishi Design 代表
インテリアデザイナー
/整理収納アドバイザー
/The Interior Design School Diploma
取得 /BIID 英国インテリアデザイン協会 正会員
3年ぶりにお正月を日本で過ごしました。
何を食べても美味しい。仕事が丁寧。24時間営業のお店がある。改めて日本は凄いと実感しました。久しぶりに日本のTV番組を見て、お腹がよじれるほど笑いました。異国のTVで涙が出るほど爆笑することはないので、たまに大笑いすることは精神衛生上とても大切ですね。今年もよろしくお願いいたします。
よく聞かれます。オランダ料理って美味しいの? どんな料理かわからない。
わたしもオランダに住むまでは全く知りませんでした。イギリス料理はフィッシュアンドチップスなど頭に思い浮かぶ料理がありますが、オランダ料理とは一体どんなものでしょう。
オランダへ移住するための家を探しに行ったときのこと。友人に案内してもらったカフェで初めていただいたのがエルテンスープ(Erwtensoep)という薄緑の豆のスープでした。
寒い冬にいただくオランダの伝統料理で、飲むというより食べるスープです。スープにまっすぐスプーンが立てられるのがベストの濃度と言われていてかなりボリューミー。エルテンスープとライ麦パンだけで十分な食事になります。
乾燥緑豆をベースに、玉ねぎ、セロリ、ジャガイモ、豚肉、ソーセージが入っており、形が崩れるくらい煮込みます。一晩寝かせた翌日のスープが一番美味しいと言われているのはカレーと一緒ですね。スーパーにはレトルトパックや缶詰になったものも売っていて、家庭で手軽に楽しめます。
当時、勧められるがままに注文したスープがとても美味しく、オランダ料理に希望が持てた(笑)ことを覚えています。エルテンスープはオランダ人にとっておふくろの味。今思うと、私も初めてオランダに来た人には是非最初に試していただきたいと思う代表的なオランダ家庭料理です。
農業大国であるオランダの料理は「農夫の料理」と言われ、基本的にじゃがいもや豆などの野菜を煮込みすり潰したものが多いです。オランダ料理は意外にお野菜をたっぷり摂ることができてヘルシーです。
決して洗練されたものではありませんが、どこかホッとする素朴で温かいお料理が多いです。オランダは緯度が高く、寒い冬に身も心も和らぐような温料理を求める気持ちは理解できます。
クロケット(Kroket) はオランダの国民食。俵型で中がトロトロのクロケットはまるでクリームコロッケ。ビターバレン(Bitterbal)はクロケットをまん丸のボール状にしたものです。 日本でお馴染みのコロッケと非常に似ており、コロッケの元祖という説もあるようです。
レストランでもいただけますし、クロケットの自動販売機も多数設置されています。アムステルダムにいらしたら、是非自販機のクロケットを買ってみてください。
人参などの野菜を茹でてマッシュしたものに牛肉の蒸し煮やソーセージを添えたヒュッツポット(hutspot)も伝統的なオランダ料理です。
16世紀、スペイン軍に包囲されたライデン市民。堤防を決壊させる水攻め作戦がうまくいき、逃げ出したスペイン軍の陣地に残っていた温かい野菜の鍋がライデン市民の飢えを救ったとされる料理です。
今もライデン解放記念日(10月3日)にはヒュッツポットをいただいてお祝いをするそうですが、すっかり冬の定番料理となっています。 日本にもお正月や節句などハレの日にいただく行事食はありますが、ヒュッツポットは「ハレ」の日の食事がいつしか「ケ」の食事に変化した歴史あるオランダ料理ではないでしょうか。
ハーリング (Haring)生ニシンの塩漬けです。玉ねぎのみじん切りとピクルスを添えていただきます。屋台で口をアーンと上向きに開いて、一本丸ごと立ち食いしているオランダ人をよく見かけます。ハーリングをパンに挟んだブローチェ・ハーリング(Brootje Haring)も人気です。
ハーリングは年中手に入りますが、5月〜7月のニシンは脂のノリが非常に良く、塩漬けに適しているので一年で最も美味しいハーリングの季節です。特にオランダ人が毎年楽しみにしているのは6月のハーリング解禁日。初物のハーリングを最初に女王様に献上した後、一般解禁となります。初物は本当に嬉しいものです。
生魚を食す日本人にとって馴染みのあるお味で、わたしも大好物です。叩いてネギやしょうが、大葉などと一緒にご飯に乗せたハーリング丼など、自分流にアレンジしても美味しい。
オランダは海洋国なので、様々な魚介類が手に入ります。ベルギー料理で有名なムール貝もオランダ産だったりします。オランダでもバケツに入ったムール貝はよくいただきます。
パンネクック(Pannekoeken)
オランダはパンケーキが有名なのをご存知でしょうか。パンネクックは直径30cm以上もあるオランダのパンケーキです。生地が薄くてモチモチした食感で、パンケーキというよりクレープやガレットに近いと私は思っています。というのも、チーズやベーコンなど甘くないメニューもあり食事としていただくことも多いからです。
とても大きいので同じ味に飽きてしまわないよう、食事パンケーキとデザートパンケーキを2種類頼んでシェアするのがオススメです。
ポファチェス(Poffertjes)
これから日本に上陸するのでは、と密かに思っている小さいパンケーキ。オランダの屋台でたこ焼き?と思ったらそれはポファチェスです。
熱々の焼きたてに粉砂糖をたっぷりかけて、とろけたバターを絡めながらいただきます。小さいパンケーキの見た目も可愛らしく、これは誰もが好きなはず!
アップルタルト(appeltaart)
オランダのカフェに大抵あるアップルタルト。一見大きいのですが、ほとんど中身はリンゴなのであっさりと食べられます。甘過ぎずサクサクのクッキー生地が病みつきです。これでもか!というくらいにホイップクリームを添えてくれます。
フレッシュミントティー(これもオランダの定番的な飲み物)と一緒にいただくとさっぱり!ユトレヒトのアップルボールも美味しいです。
ストロープワッフル(Stroopwafel)
2枚のワッフルの間にキャラメルシロップをとろーり塗って挟んだもの。チーズで有名なゴーダにはストロープワッフル発祥のお店があり、お土産にもお薦めです。日本のスターバックスコーヒーにもストロープワッフルが置いてありますので是非お試しください。
オランダ式の食べ方は、コーヒーカップの上に蓋をするようにワッフルを乗せ、キャラメルがとろけ出したらいただきます。でも、焼きたてのストロープワッフルに勝るものはありません。
トンプース(Tompouce)
ピンク色の不味そうなケーキ(失礼!)がそこかしこに売っているのを不思議に思っていたのですが、これがオランダ人に大人気のケーキ。実は見た目よりずっと美味しいです(もちろんお店によって違いますが)。
それほど甘くなく、サクサクのパイ生地にカスタードが挟まったケーキはミルフィーユそのもの。トンプースは食べにくいことでも有名で、横に倒すと上手くいただけます。
ドロッペ(Drop)
恐ろしくまずいと評判の黒いリコリスのグミ。罰ゲーム用に購入してみては? オランダ人は大好きな国民的お菓子ですが、日本人が嫌いなのを楽しむかのように渡してきます。ティッシュと一緒に(笑)。
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