「新築時にハンモックを設置して、ハンモック生活を始めたい」 お客様からそんなご相談を受けることがたびたびあります。

しかし、ハウスメーカーさんや工務店さんには、ハンモックの設置経験のある方が少なく、取り付けを断られてしまうことがあるようです。でも、ハンモックを取り付けただけで壊れるような家はありません。場所さえ間違えなければ、大抵の家はハンモックを設置できるはずです。

ただし、2×4工法で建設された家屋は、基本的にハンモックに向かないため、パーゴラのようなハンモック用のやぐらを室内に作るとよいかもしれません。

では、ハンモック・チェアハンモックの設置方法を詳しく見ていきましょう。

ハンモック、チェアハンモックとも、ロープで直接、むき出しの梁（天井についていない梁）や柱などに設置する方法と、梁や柱に金具をつけて設置する方法があります。

ロープでの設置は、設置後も場所をずらせるのが最大の利点。梁などに穴が開くこともありません。ただし、角型の梁の場合、ロープが摩擦で擦れ切れないよう、梁にタオルなどを巻くといいでしょう。

金具は、フック型とリング型が一般的ですが、フック型のほうが取り外しが便利です。金具を設置した際には、時間とともにネジが抜けてきていないか、十分注意してください。

設置に必要な距離は、ハンモックの長さのおおよそ0.8倍。当店の一番小さいサイズのハンモック（ブラジリアンハンモック・シングルサイズ）は設置幅2.6mから設置可能です。

あまり距離が取れない場合は、その分、設置の高さを高くするといいでしょう。ただし、あまり狭いと、ハンモックの弓なりが急になり、ハンモックが広がりにくくなってしまうので要注意です。 逆に、設置の距離が0.8倍より広い場合は、ハンモックの長さが足りない分をロープでおぎなえば問題ありません。

距離が長めのほうが、後々ハンモックが伸びてしまった場合や、もっと大きなハンモックを取り付けたくなった場合にも対応しやすいのでおすすめです。

左右の幅は、ハンモックの縁から50�pずつくらいあるのが理想的。周りにぶつかるものがないか気をつけてください。

設置のイメージが難しい場合は、図のように、糸や巻尺などを使ってイメージしてください。もちろん、いちばん確実なのは、実際にハンモックを用意して、その場所にあてがってみることです。

設置するうえで最も重要なのが、ハンモックに乗ったときにお尻が下につかないこと。

「ハンモックに乗ると沈み込む」ことを考慮したうえで、吊るしたときにハンモックの一番低い部分が高さ40〜50�pくらいになるようにします。

手の届く高さに設置すると、ハンモックが取り外しやすくて便利です。また、自分の身長より10�pほど高い位置だと、ハンモックの下をくぐりやすくなります。

梁など手の届かない高いところにロープを取り付ける場合は、ロープとハンモックをつなぐ部分にカラビナをつけると、ハンモックを取り外しやすくなります。

基本的には、柱や梁などに設置します。人の体重がかかるものなので、建物の躯体部分が適しています。

日本の家屋の天井・壁は、石膏ボードを取り付けただけのものが標準的で、体重をかけることができないため（コンクリート製の場合は可能)、荷重がかかる部分の下地を補強してもらう必要があります。

設置する場所の強度や耐荷重と、適した吊り下げ方法は、ハウスメーカーや工務店と話し合って決定してください。

ハンモックの場合と同様に、沈み込んでお尻がつかないように設置します。設置したときに40〜50�pは余裕を見てください。

設置方法は、梁や天井に1点吊りするのが基本です。狭い範囲でも設置できるのが、チェアハンモックの魅力のひとつですが、バーの回転範囲から50�pくらいに物や壁、窓がないような場所に設置します。特にバーが窓に当たると破損する恐れがあるので、気をつけてください。

チェアハンモックのバーを取り、左右に直接ロープを取り付けて、ブランコのように２点吊りすることもできます。

２点吊りにすると、ブランコ同様揺れる向きが一定になります。可動範囲が狭いほうがいい場合や、チェアハンモックのバーが揺れて物や人に当たる危険を避けたい場合は、２点吊りをおすすめします。

いろいろと書きましたが、最も大変な金具の取り付けを大工さんに任せてしまえば、あとは簡単にできる作業ばかりです。 ぜひ、ハンモックのある生活を、夢のご新居で実現してください！

〜ハンモックのロープワーク〜

ハンモックを設置するには、ほとんどの場合ロープが必要となります。ロープの扱い方もご紹介しておきます。

●柱や木、梁にロープを結ぶ（プルージック結び）

●ハンモックにロープを結ぶ

最もシンプルなロープワークです。かんたんでしっかり締まります。

●フックにロープをつかって設置するときの、簡単なロープの使い方