前回までを振り返っていただきまして、造作洗面台の可能性を十分感じていただけたと思います。

そして最終回は空間としての洗面台。インテリアアイテムとして、どういった空間にどのような洗面台を作っていくか？
そして、空間として実用的に（収納プランなど）どのように反映していくべきか等をご説明します。

造作洗面台は、やはり前提としてビジュアルが先だっており、収納に関しては価格面との折り合いから、オープン収納になることが多いです。

そこをどうやって見た目を崩ずさないように考え、使っていくのかも大きなポイントとなります。

【レトロ・ナチュラルスタイル】

まずは、レトロでナチュラルな空間がお好きな方には、木製フレームを基調に、白の陶器のシンクとシンプルな水栓。

そして、立ち上りのところに少し懐かしい丸いモザイクタイルをアクセントとした造作洗面台はいかがでしょうか。

本体木製部分は現場で造作することで、規格品では収まりが難しいところでも間口、奥行共にジャストフィット。パイン材などローコストな材料を使っているのでコスト的にも抑えめで施工も含めて20〜25万円（タイルも含む）といったところです。

収納は、オープン部分が多いので使いこなしに工夫が必要ですが、前もって「このサイズの籠を使う」などあれば、とても使いやすくシンプルな造作洗面台が出来上がります（出し入れが多く、細々した収納で使う籠にはお好みの布などをかぶしておくと便利です）。

【クールスタイル】

続けては無骨で男前なインテリアが大好きな方に、ピッタリな造作洗面台。

モルタル天板に天井と壁はモノトーングレー。そして空間が冷たくなりすぎないよう、正面の壁面にはウォールナットに着色した無垢板（パイン材／ウォールナット塗装）を乱尺に張っています。

ポイントとしては無機的なものと有機的なもののバランスで、オープン部分に入れたカゴなども空間の調和を作ってくれている重要なアイテムとなっています。

下部オープン収納は細かく分けすぎずに上下二段、大きな蓋付の籠で収納することでバスタオルなどの大きな布類を収納することができます。

【モロッコスタイル】

正面には数色使ったモザイクタイルと天板のシンプルモザイクタイル。

雰囲気づくりに有機的なデザインのシンクと小物アクセサリーを。そして一番のアクセントは、収納も安心の木製扉付きの本体部分です。釣込んでいる金物などにもこだわっています。金物類を黒で統一することも実は重要です。

周囲の壁紙なども通常のセレクトよりも少しコッテリ気味に。

ミラーは見た目重視の楕円形で収納がないので、その変わり両サイドに奥行の浅い収納を造作でつくりました。背面を多色使いのモザイクにすることでごちゃごちゃした小物もあまり目に付かず、見せる収納として使うことができます。

【フレンチ・シャビースタイル】

本体フレームに立上りの三面なども潔く白のタイルを貼っています。そこに柔らかい楕円のシンクと２ハンドルのクロームメッキの水栓を使うことで、女性らしい清潔感のある洗面台が出来上がります。

ポイントは焦げ茶に塗装した下部の棚やミラーフレームなどの木製部分で、白とのよいコントラストで引き立ちます。

黒皮鉄のタオル掛けやミラー上部のブラケット照明なども、少し無骨に、でもさりげなく雰囲気作りに一役買ってくれていますね。

上部シンク部分が白でまとまっているので視線が行きやすく、ミラーフレームや下部の収納用棚板などの焦げ茶部分は目立ちにくくなっているので、オープンの収納でも比較的スッキリした印象になっています。

もちろん、カゴなどを補助的に使われるとなお良いですね。

【和レトロスタイル】

本体はシンプルな白のタイルで張り込み、アクセントの上部タイルには釉薬が効いた横長のタイルを通し張りにして和を演出します。

基本的にタイルやシンク、照明器具などは直線的なデザインを基調にし、上部のミラーやその他の木部などは焦げ茶で統一しいます。また、壁出しの水栓などが、レトロな佇まいを演出してくれます。

こちらの収納は上部はスッキリ、下部の棚で細かい物をまとめています。タオルや下着などは別の収納でしっかり納めてしまい、下部には石鹸や清掃関係のものを少し雑然と収納。

ポイントとしては下部の棚はあまり前まで出さず少し奥まったところで設置。そうすることで上からは目立ちにくくなります。

ヘルスメーターやゴミ箱など、小さく・細くといったものなどを下部に滑りこませておけるのも下部オープンの造作洗面台の使いやすさです。

以上、造作洗面台の収納も含めた空間実例でした。

ご参考になりましたでしょうか？
みなさまご家庭ならではのご家族構成や使い勝手から考える収納、そして洗面台を作ることができるのも造作洗面台だけ。

実例を元に理想の洗面台をプランしてみて下さい。ご相談もお待ちしておりますよ！