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こんな家に住みたい。
知れば、なるほど。オプションのある家
第八回 「無垢材のある」家 第五回 ホームシアターのある家 第三回 シンボルツリーのある家 第四回 石畳のある家 第一回 屋上に庭のある家 第二回 火のある家 第六回 太陽光発電のある家 第七回 防音室のある家 その二 無垢の床材〈広葉樹〉編 その一 無垢の床材〈針葉樹〉編 第8回「無垢材のある家」文・写真 木心庵(きしんあん)草島 ゆき江 無垢材の家具と住まいを扱う北海道札幌市にある無垢材専門店。用途にあった素材・工法選び、製材、乾燥、制作まで、要望に応じた提案を行う。 その3 システム・キッチンを無垢材でオリジナルに
桜の無垢材(バラ科/広葉樹)「間仕切り県境カウンター付き」キッチン 木心庵

家づくりで一番、気になるのは、キッチンとその周辺。 どんなレイアウトが良いのか、動きやすさ、使いやすさ、広さ、収納スペースなどなど、考える事がたくさんあるのもキッチンですね。

何度か引越しを経験して、今はキッチンは、対面式がいいと思っています。 初めての対面式キッチンは、3度目の引越しで住んだ家でした。それまでの壁に造りつけられたI型キッチンは、背後に家族の気配を感じつつ、野菜を切ったり、煮炊をしていましたから、対面式キッチンの顔を上げさえすれば、家族の様子が目で見える安心感といったら、それはうれしいものでした。
対面式キッチンは、特に小さなお子様がいるお宅では、お子さんもお母さんの背なかではなく、顔が見えて、安心するのではないでしょうか?


システムキッチンを無垢材で隠すと…無垢材のシステムキッチン無垢材のカウンター

現在の家も対面式キッチンですが、今回は自分仕様にカスタマイズしたおかげで、満足度の高いキッチンとなりました。
キッチンに立った時だけではなく、離れた場所から見るキッチンの見栄えは、過去住んだ家の中で一番です。

振り返ってみると、今のキッチンには、ふたつのこだわりがありました。

ひとつはキッチン側のこだわりです。 洗って、切って、煮炊して、皿や鍋を洗って、しまう。この動作が楽にできる、キッチンの機能性をしっかり判断して選びました。

もうひとつは、キッチンとダイニングルームとの「間仕切り」へのこだわりです。
対面式キッチンの家に住んで気付いたことは、機能的なシステムキッチンは、必ずしも、ダイニングルームの家具やインテリアと合うとは限らない、ということでした。

わが家のテーブルやテレビ台は、無垢材の自然な雰囲気の家具が多いので、今までは、ダイニングルームから見る対面式キッチンは「キッチンらしい顔」をしていて、ダイニングテーブルや椅子とは、馴染まない気がしていました。

使いやすい幅・高さのカンターで…無垢材のカウンター無垢材のシステムキッチンカウンター

そこで、間仕切り兼用のカウンターを、桜材の一枚板でつくりました。 ダイニングルームから見たキッチンは、申し分なくオシャレに、ダイニングテーブルや木の床とも馴染み、部屋全体が落ち着いた雰囲気になりました。集成材や人工大理石だったら、全然違う雰囲気になっていたことでしょう。

もちろん、キッチン全体をナチュラルな素材にすることもできますが、間仕切りを「木」にするだけでも、印象は、随分変わります。

キッチン側は、キッチンとしての機能性を優先し、間仕切りは、ダイニングルーム側からの美しさと使いやすさにこだわってみる。 この「間仕切り」のこだわりを持つか持たぬかで、部屋の雰囲気が変わると感じます。

また、カウンター部分は、毎日、家族が使い、触れています。慌ただしい朝の食事も、この間仕切りカウンターの上に、パンやサラダやコーヒーが、一旦置かれて、ダイニングテーブルに運ばれていきます。
食事が終われば、空いた皿やフォークが「ごちそうさま」の声と共に、間仕切りカウンターの上に置かれます。

わが家の場合、平らなところには、知らぬ間に雑誌や、ダイレクトメール、学校のプリント用紙などが置かれ、そのうち積み重なることが多いのですが、奥行20センチほどのカウンターは、雑誌を置いておくには不安定なのか、だれも置きっぱなしにはせず、しまう習慣がついたように思います。 間仕切り兼用カウンターは、奥行があまりないところが、実は便利だったりします。

マコレの無垢材で(アカマツ科/広葉樹/別名:チェリー・マホガニー、アフリカン・チェリー)→「カウンター・ダイニングテーブル付き」キッチン

もっと本格的に、キッチン全体を完璧にデザインされたお宅もあります。
まるでホテルの高級なバーのような、すてきなキッチン。一枚板のマコレを贅沢に使った、ある店舗デザイナーさんのご自宅です。こちらもシステムキッチンを置いており、システムキッチンの上にかぶせるように、無垢材のカウンターを取り付けています。

マコレの無垢材カウンター
マコレの無垢材キッチンカウンター

一枚板をくりぬいて、シンクと調理するエリアを確保しています。丸みのあるフォルムに仕上げ、モダンで重厚感のある空間になっています。
キッチンカウンターの奥は、ダイニングテーブルにつながり、オシャレな照明と窓の景色もごちそうです。このキッチンのように、木のカウンターを大胆に、くりぬいたり、ダイニングテーブルにしたりと、自在に造りつけができるのは、木の魅力です。

無垢材のダイニングテーブル
マコレの無垢材カウンターテーブル
栓の木の無垢材(ウコギ科/広葉樹)→「間仕切り兼用カウンター、カウンターテーブル付き」キッチン

次の写真は、料理が好きで、人を呼ぶのも好きな方が作った、対面式キッチンカウンターテーブルです。システムキッチンのまわりを囲むように、栓の木を使ってテーブルを取り付けています。


栓の木の無垢材対面式キッチン

手元が隠れる高さの間仕切りをつけ、電源コンセントもあり、便利です。
自然な雰囲気と開放的な部屋で居心地のよい空間です。このカウンターの上に、お酒がずらりと並び、オープンキッチンのおしゃれなレストランのようでした。

無垢材テーブル栓の木無垢材テーブル
木の選び方・買い方

床材で一部紹介したように、様々な種類の木があります。こういうキッチンにしたい、という、明白なイメージがありましたら、大きさ、色、どこにどんな風に取り付けたいかを、伝え、希望に沿って候補の無垢材を選んでもらいます。

無垢材は、耳付材(天然面仕上げ)にするか、耳なし(ストレート)にするかで、仕上がりイメージが違います。
耳とは、木の外皮部分の形を残した板のことです。耳付材(天然面付)は、天然の木ならではの表情を残し、自然な雰囲気に仕上がります。

木表を上にするか、下にするかでもイメージが変わります。スッキリと軽やかな雰囲気にしたい時は、天板が厚くても、木裏を上に仕上げると、シャープに仕上がります。木裏を上にして、耳をわずかに残して、ストレートにカットすると、まっすぐですが、自然な雰囲気に仕上がります。

右の面を耳付で木裏を上にしたカウンター

フルオーダーのキッチンは、とても素敵ですが、システムキッチンと無垢材のカウンターを組み合わせて、自分仕様にカスタマイズするのは、イメージがしやすく、コストもそれほどかからずにできるのではないかと、思います。

無垢材は、見て、触れてこそ本当の木の良さが楽しめます。キッチンやダイニング・リビングなど、毎日、家族が過ごすスペースにこそ、無垢材を取り入れてみてください。
きっと想像以上の心地良さを感じてもらえるはずです。

 

仕上がりのイメージを決める耳付材とは…外の外皮側の形を残した板
外皮部分の形を残した天然面仕上げ(耳付)
わずかに天然面(耳)部分を残したナチュラル・ストレート
←第八回 「無垢材のある」家 その二

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ページ公開日:2012年4月25日
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