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ヨーロッパでは、どんな小さな田舎町を歩いても、落ち着いたしっとりとした雰囲気を感じさせられます。それは、町や村のかなりの部分で、昔ながらの景観が保全されているからです。
景観、すなわち建物や道路や橋、それに街路樹なども含めて、その全体が保全されています。
これらの地区に暮らす人々は、不自由な生活をしているかというと、そうではなく、建物の外観は勝手に作り変えたりできませんが、室内はモダンに改装され、快適な生活をしています。
このヨーロッパの重厚な雰囲気、歴史を感じさせる景観に石畳は、なくてはならないものです。小さな田舎町まで、くまなく道路に敷き詰められ、その長い歴史を語るかのように表面が丸くなった石畳は、まさにヨーロッパならではの風景です。
ヨーロッパの景観に欠かせない石畳ですが、長年の間にがたがたになった道路の補修や再開発をかねて、舗装のやり直しが必要となります。実は石畳は掘り起こすととても大きなかたまりの石です。 下地を工夫すればこんなに大きな固まりの石畳をそのまま埋め戻す必要はありません。ベルギーのVan Camp社は、掘り起こした石をスライスして、同じ場所に戻して施工する再開発の仕事をしています。 多くの場合、表面が踏まれて丸くなった一番上の部分は車道に施工し、真ん中の部分は、表が平らで歩き安いことから、歩道に敷きます。そうすると同じ石畳の石を使って、施工をし直し、町の景観は保全された上に、石畳が余ることになります。 |
この余った石がヨーロッパのアンティーク石畳として販売され、日本でも使用したいという方が多い人気のガーデンアイテムです。 ベルギーは、ヨーロッパの中でも交通の要衝で、主なヨーロッパの国々へのアクセスにはとても重要なところです。そのためVan Camp社は、ベルギー以外にもフランスやドイツ等のヨーロッパ各国、北欧諸国で再開発の仕事に携わっています。 アンティーク石畳は、それぞれの国、また同じ町、通りによってそれぞれ色や大きさが異なり、並べてみると非常に味わい深いものです。100年、200年前、ヨーロッパのどこかでこの上を馬車が走り、長い歴史が刻まれたこれら石は、玄関アプローチや庭に敷くと間違いなく落ち着いた雰囲気が醸し出されます。 |
ヨーロッパ各地で実際に使われていた石畳(花崗岩)です。使われていた国は、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークの一部です。
グレー、白、赤と色とびがあり、デザイン性の高い北欧の明るいイメージが感じられます。
並べたときの色合いの違いからナチュラルな石のぬくもりが感じられます。
この石も、花崗班岩です。使われていた国は、ベルギーからフランス、オランダ、デンマークの一部、ドイツからスイスの一部です。
青みを帯びた落ち着きある深い色合いは、ヨーロッパの古都を思わせます。重厚な玄関、日本家屋にも似合う石畳がつくれます。
こちらは玄武岩のアンティーク石です。使われていた国はベルギーからオランダ、デンマーク、ドイツです。
ほか(花崗岩)の石畳とは違い、密度が荒く柔らかな風合いを持っています。
淡い墨のような色合いがガーデンシーンを引き締めます。
以前にアンティーク石畳を求めて、北欧の3国、フィンランド、スウェーデン、デンマークとを旅したことがあります。
デザイン性の高い国だけあり、北欧の石畳の石はその街の中でも、通りごとに色や形状、サイズが違っていて、違う色の石をラインで入れてデザインしているものもありました。
また、フィンランド、スウェーデン、デンマークと南下するに従い石畳の色は、ピンクがかったグレー→白っぽいグレー→青みがかったグレーと 平均的な色が少しづつ変化しているように感じました。
ガラス張りのビルや近代美術館など新しい建物の廻りには 比較的白っぽいグレーの石畳が多く使われ、石造りの建物が立ち並ぶ古い街並では、濃いブルーグレーの石畳が使われ、建物、石畳どちらが先に存在していたのかは分かりませんが ちゃんと建物と地面のバランスが考えられていました。
石畳の微妙な色合い、表面の質感の違う石たちを並べてみるとそれぞれに趣が変わります。玄関まわりにヨーロッパの歴史のある街を思わさせる落ち着いた小径をつくりたいという人には、アンティーク石畳がぴったりだと思います。 最終回は、石の選び方とストーンデッキについてご紹介します。 |
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