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ホームエクステリア・庭 第3回 シンボルツリーのある家 > こんな家に住みたい。第一回 「屋上に庭のある」家 その三 建物構造と注意点

こんな家に住みたい。
知れば、なるほど。オプションのある家
第1回 「屋上に庭のある」家 その3 建物構造と注意点 第七回 防音室のある家 第八回 無垢材のある家 屋上に庭のある家 その一 屋上緑化の広がり その二 楽しい時間を過ごす場所 その三 建物構造と注意点 第二回 火のある家 第三回 シンボルツリーのある家 第四回 石畳のある家 第五回 ホームシアターのある家 第六回 太陽光発電のある家
第1回「屋上に庭のある」家 その三 建物構造と注意点 重さを軽減する 文・写真:東邦レオ株式会社 熊原淳 屋上緑化・屋上庭園の専門サイト「エコ・ガーデン.JP」:屋上からはじまるエコライフ 屋上ガーデン・屋上庭園の専門サイト「エコ・ガーデン.JP」:屋上からはじまるエコライフ

最近では技術も進歩し、安心して「屋上に緑のある暮らし」を楽しめるようになりました。ですが、知っておかないと大きなトラプルになってしまうポイントがあります。まず最初に建物にどれくらい重いものを乗せても大丈夫なのかをご説明します。

建物が耐えられる重さは建物ごとに決まっています。規定以上の重さがかかると、建物が傷んでしまう可能性があります。そのため屋上に置くものは極力軽い素材を選ばなければいけません。


建築基準法施行令 第85条で規定された積載荷重

軽量人工土壌
屋上に「緑のある風景」を取り入れようとすると、絶対に必要なのが「土」です。でもこの「土」が一番のネックになってしまいます。1メートル四方×1メートルの高さまで土を盛るとおよそ1.6トンの重さになります。ですから、屋上が広々としているからといって、気軽に普通の土を乗せてしまうと、トラブルの原因になりますので注意してください。

この20年間で、土の軽量化技術も進歩していて、屋上緑化専用の土壌が開発されるようになりました。「人工土壌」と呼んでいますが、自然の土の半分、もしくは3分の1の軽さになっています。最近、屋上を緑化する場合はほとんど、この屋上専用の土が使われています。

園芸で使われる土は、実つき・花つきをよくするために肥料が豊富に含まれています。そのため、以外と1年も経つと固まってしまったり、かさが減ったりすることがよくあります。ですが、屋上庭園の場合は、園芸のように途中で土を入れ替えるといったことはできません。「園芸に求められる土」と「屋上に求められる土」は、まったく性能が異なります。
屋上の場合は、永続的な水はけ、そして適度な保水性が必要です。養分が多いと樹木が生長しすぎて倒れやすくなるので、屋上は菜園やバラなどの肥料を特に必要とする植物以外、あえて肥料の量を少なくしています。

1平方メートルあたりの重量の目安
「水」のトラブルを回避する

最近、短期間に滝のような大量の雨が降ることが多くなりました。地上では、雨は地下に浸透しますが、屋上は下が建物なので、水を強制的に屋外へ出さないといけません。屋上をよく見ると、必ず端っこの方に排水溝があります。屋上にいても気づかないと思いますが、屋上はわずかに斜めになっていて、この排水口に向かって水が流れる仕組みなっています。

排水がうまくいかないと屋上がプールのように水浸しになってしまいます。庭園の直物が枯れるだけでなく、場所によっては部屋まで水が流れ込んだり、漏水の原因となったりするので注意が必要です。水のトラブルを回避するためには、事前の確認が大事です。

排水口の状態を必ずチェックし、デッキや庭園が水の流れを止めてしまうことがないようにデザインします。そしてそれ以上に気をつけることがあります。隣に大きなビルがあるかどうかです。
例えば自分の家のすぐ隣に、30階建てのビルがあるとします。大雨が降ったとき、風向きによっては、隣のビルの高い壁に合った雨が全部跳ね返って、屋上に降り注ぐこともあります。
屋上だけでなく、途中階の小さなルーフバルコニーであっても、周囲の状況は入念にチェックします。面積が小さくても、その上の最上階は実は大面積の屋根ということがよくあります。上の階に降った雨が、雨どいを通じて全部流れ込んでくると大変です。

建物の上では、どういうルートから雨が流れてきて、どの排水口に流れていくかを十分に確認しておくことはとても大事なポイントです。図面だけでは分からないところに、トラブルの種があるのですね。周囲の状況さえ分かれば、対策の方法を見つけ出すことができます。

防水層の保護
耐根シートと保護シート


実際にプランづくりへ!

屋上庭園リフォーム前これまでご説明したように、地面の庭園と異なり、屋上庭園は様々な制約に配慮しながらプランを作成する必要があります。
新築の建物であれば、建築士の方に事前に屋上を活用することを伝えておくと、ある程度、重量を見込んだ構造を設計していただけます。注意しないといけないのが、既存の建物や住宅の場合です。年代によって基準となる法律も異なっていて、1981年以降の「新耐震設計法」に基づく建物や住宅であれば、屋上を庭園にできる可能性が十分あります。
屋上庭園リフォーム後その場合、屋上に「手すり」があるかどうかもチェックポイントです。人が出入りすることが想定されている場合は、「手すり」が必ず付いています。
また庭園にする場所が高いところでは、風の影響を受けやすくなりますので、樹木を植える際には、支柱(ささえ)を強固にする必要があります。
荷重、防風、防水等について十分な配慮をすれば、屋上緑化は難しいものではありません。

 

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ページ公開日:2008年10月15日
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