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前回は、屋根裏部屋の実現方法やはしご・固定階段・下屋裏など、タイプ別の特徴を確認しました。
屋根裏部屋のつくり方には、さまざまな選択肢があることがわかりましたが、採用することを決める前に、もう少し詳しく屋根裏部屋をつくることの「メリットとデメリット」を見ていきましょう。
敷地に対して建築プランが容積率いっぱいになってしまい、床面積を増やしたくても、これ以上無理…というときには、屋根裏部屋が役立ちます。 天井高1.4メートル以下・床面積の1/2未満の広さの屋根裏部屋は、容積率の対象になる延床面積に参入されないのです。
屋根裏部屋を増やした分、居室の収納を少なめにして、生活スペースを優先したプランで設計すれば、床面積の悩みの解消につながります。
また、建築会社によって対応は違いますが、屋根裏部屋の工費は、床面積に対して坪単価の4分の1〜5分の1以下でつくれるというところが多いようです(見積もりの実例は次回に)。
2階建てに階を増やして3階建てにすると、基礎の強化や構造計算で大きなコストアップにつながりますが、屋根裏を活用した収納はあくまで2階建てとして見なされるので、建築費や税金面でも有利です。
このように法律上、床面積に含まれない屋根裏部屋ですが、デメリットとして、エアコン専用電源や電話、テレビの配線などの設置を条例によって禁止されているということが挙げられます。
これは、あくまで屋根裏部屋は物置であり、居室として使わないものとして、定められているからです。
他にも、窓の面積や設計上の制約がお住まいの地域の条例ごとに定められているため、希望のプランが実現できるかどうか、建築会社と相談しておく必要があります。
また、建築会社の断熱仕様の標準が天井断熱か屋根断熱かにも注意が必要です。天井断熱を採用している建物では、屋根裏が外気温の影響を直接受ける空間となります。
そのままでは、夏場は高温になり、大切なものをしまう空間として、適した温度が保てない環境になりかねません。そのため、屋根裏を屋根断熱に変更するということになると、予想外のコストアップにつながります。
一般的には屋根断熱には高性能で高価な断熱材を必要とする場合が多く、特に建築会社の標準の施工と異なる場合は、大きなコストアップになる可能性があります。
一方、元々屋根断熱が標準仕様の建物であれば、断熱仕様の変更は不要なので屋根裏収納を取り入れやすいと言えます。
居室のクローゼットは、毎日着る衣類や鞄など、普段よく使うもののスペースとして優先したいものです。しかし、収納を必要とするものは、それだけではありません。
季節の冷暖房器具や思い出の品物など大切なものだけど、部屋の収納に鎮座されるとスペースがもったいないと思うことってありませんか?
屋根裏部屋は、そんな出し入れが頻繁ではないもの収納にぴったりなんです。 キャンプや釣りなど、趣味が多いご家庭でも、お部屋の使い勝手を損なわずに家全体の収納力を大幅に上げてくれます。
つい、頻繁に使わないモノだからと考えて、無計画に屋根裏部屋に荷物を詰め込みすぎると、後が大変です。使いたいときに取り出せなくなったり、どこにあるのかわからなくなったりすることもあります。
また、風通しが悪くなって衣類にカビがついたり、手が届かない荷物がホコリまみれなったりしてしまう恐れもあります。
荷物の出し入れやお手入れがしやすいよう、あらかじめ荷物のレイアウトや通気性などに考慮した計画を立てておくと使いやすい屋根裏部屋となるでしょう。
子どもの大きなおもちゃや一緒につくる工作など、生活スペースに一度広げてしまうとすぐには片付けられずストレスになりがちです。
大人でも趣味やDIYのための作業に、何日も広げたままのスペースが必要なときがあります。季節ごとの衣替えも、やり始めるとなかなか終わらず、部屋を占領し続けているのを見るのもプレッシャーですね。
生活動線の邪魔にならない屋根裏部屋なら、足の踏み場がないほどに存分に広げたままにしておいても困らないので、自分のペースでいつでも続きから作業を始めることができます。
また、壁の落書きや汚れた手の跡など、元気で遊ぶ子どもの様子は嬉しいけれど、せっかくの新築のリビングや部屋が汚れてしまうのは、ハラハラドキドキするものです。
その点、家族以外に見られることのない、屋根裏収納なら、多少汚したり傷を付けてもおおらかな気持ちで見ていられるのではないでしょうか。
1.4mまでの天井高でも、小さな子どもの背丈なら十分立って走り回ることもできます。
上記のように、便利な屋根部屋をできるだけ広く確保するには、屋根裏空間の大きい切妻屋根や片流れ屋根が有利です。 ただし、屋根裏収納スペースの確保を優先してプランニングすると、外観が希望のデザインと、合わなくなってしまうことがあります。
また、太陽光発電を設置する場合には、太陽の方向に合わせた屋根面と屋根裏部屋スペースの確保の両立が難しくなるケースがあります。
さて、今回は屋根裏部屋のメリット・デメリットについて挙げていきましたが、次に気になるのは、使いやすい屋根裏部屋を完成させるに「かかる費用」についてではないでしょうか?
次回と次々回では、施工費用について、具体的な見積書を参考に詳しく見ていきたいと思います。
文:まっしんはやぶさ/イラスト:天野勢津子/編集:イエマガ編集部/スポンサー:マイホームデザイナー13
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