外壁デザインのご相談にいらっしゃる方の中には、まだ何のイメージもお持ちでない方もいらっしゃいます。
その場合、『家装百花(ニチハで出している住宅のスタイルブック)』などをお見せして、「いいな」と思うものを選んでいただきます。そして「どうしてこれがいいと思うのか」をお聞きします。
色が好き、形が好き、雰囲気が好き、素材の感じが好き…それらを手がかりに、一つ一つの「好き」を紐解き、お客様の好みのイメージを作り上げていきます。「あたたかい」「落ち着いた」「きっちり」「やんわり」など、言葉から色柄を導き出すこともありますね。
その際、最近の流行や、お勧めの組み合わせなどについてもお話ししますが、一生に一度とも言われる大きなお買い物ですから、「何日も時間をかけて納得いくまで迷ってください」と言うようにしています。時間が許す場合は、ですが。
ポスト、照明、装飾オブジェが白を基調としたさわやかなモダンテイストで揃えられています。 |
外構と外壁をトータルでデザインすると家はもっと素敵になります。建物を見るときに一緒に視界に入る部分…塀、玄関ドア、門扉などと一緒に検討されることをお勧めします。
たとえば、「アーリーアメリカン」スタイルの建物には、広がりの感じられる芝生やウッドデッキ、ウッドフェンスなどが似合いますし、「南欧」スタイルにはオレンジ色系のレンガ積みや石積み、塗り壁の塀や花壇など、手作り感たっぷりのあたたかい外構が似合います。外構だけでなくサッシの色、屋根の素材と色…トータルでデザインに違和感がないか確認してみましょう。
枕木を使い、高低差を美しく彩った庭。木のナチュラルな質感が、アーリーアメリカンスタイルを引き立てています。 | オレンジ色の塗り壁風の門柱、彩色タイル、テラコッタをあしらった花壇が南欧風です。 |
サイディングを組み合わせて張り分けることで、コーディネートを楽しむことができます。相性のいい組み合わせを選ぶ基本は、同系色の濃淡で揃えること。濃淡の差を大きくすればはっきりした印象に、小さくすれば穏やかな印象に仕上がります。
次は、同じ建物でも張り分け方によってイメージが変わることをご説明します。
右のパース図をご覧ください。
Before:モダンなイメージにしたくて片流れの屋根を設け、外壁もクールな印象のものを使いましたが、ちょっと暗くなってしまうのでは、と玄関部分だけ途中で暖色系に変えました。
この貼り分け方は、クールな色柄とあたたかみのある色柄、色とイメージが揃っていないので、違和感があります。
このコーディネートを修正して3種類のデザインを作成してみました。
After1:色のイメージを揃えるために、玄関部分を白くしてみます。色の違和感は消えましたが、右側の上下のバランスが悪く、「おでこの広い家」のように見えますね。
After2:モダンに見せるために、縦に張り分けました。色のイメージも揃い、おでこの広い感じも解消されました。
破風も白くしたことで、建物全体の印象も軽やかになりました。
After3:人気の高い「シンプルナチュラル」な印象にコーディネートするとこんな感じになります。ベースをやさしい白にして、ナチュラルな質感の木目柄を合わせています。
2と3、どちらがいいかはお好みで決めます。
ニチハが製造しているサイディングは窯業系サイディングと呼ばれるもので、新築戸建て住宅の70%にこの窯業系サイディングが使われています。
窯業系サイディングの人気の秘密は豊富なバリエーション。家の形、個性、ライフスタイルに合った外壁が自在にお選びいただけます。
またニチハのサイディングは、リアルな柄と質感を追及しています。一見シンプルに見えても実は多様な色が混在している自然素材を分析し、複数の色を重ねながら奥深い色調をつくり、自然な凹凸感をつくっていきます。だからこそ、限りなく本物の風合いや色柄に近い外壁材に仕上がるのです。
木肌の温もりが感じられる外観、コンクリートや金属の質感を表現したスタイリッシュな外観、さらにモルタル塗り仕上げを再現した南欧風の外観など、どんな表情も思い通りに実現できます。
写真上:外壁材のサンプルを見る時には、ぜひ屋外で。室内とはまた違った表情になります。 写真中:ニチハが得意とする技術を生かした人気の木目柄。最近のナチュラル指向を受けてさまざまなバリエーションで展開しています。 写真下:ショールームではサンプルをコーディネートしてご覧いただけます。「同じサイディングでも、合わせる色柄によって見え方が変わるんですよ」 |