コスモスが大好きで毎年秋になると購入するのですが、すぐに痛んで枯らしてしまいます。長く楽しむコツはありますか？

9月の下旬〜10月下旬にコスモスは見ごろを迎えます。秋に咲く美しい桜色の花から『秋桜』の名でも親しまれるコスモスですが、秋の桜と書いてコスモスと読むのはあの大ヒットした百恵ちゃんの歌が始まりのようです。

メキシコ原産でキク科の一年草。品種改良により真夏に咲くものもありますが、やはり秋風にそよそよと揺らぐ可憐な草姿のコスモスは秋にこそ観賞したいものですね。

そろそろ園芸店に並び始めた開花株のコスモス。今回は、お庭やベランダで小さな秋を長く楽しむための上手な育て方のポイントをお話しましょう。

うどん粉病は、葉や蕾が白く粉をふいたようになる病気でコスモスがよくかかる病気です。この時期は秋雨前線が活発になりますので、意外と湿気が多いものです。

少し面倒だと感じるかもしれませんが、市販の殺菌・殺虫スプレー（ベニカXなど）で充分なのでコスモスの苗を購入したら先ず殺菌スプレーで株全体を殺菌しましょう。株元の土にもスプレーすると完璧です。

そして、できるだけ風通しの良い、あまり雨の当たらない場所に置いて育てましょう。水やりをするときは葉に水がかからないように注意して、直接土に水を与えます。その後も雨が降る前など、時々殺菌スプレーをしておくと有効です。

4号鉢の開花株がよく出回りますが、購入したら土の表面をよく見て下さい。根がいっぱいで表面まで上がってきているようならひと回り以上大きい鉢に植え替えるようにしましょう。

4号鉢そのままでも水切れさえ起こさなければ大丈夫ですが、日中はまだまだ暑い日もありますので1日に朝夕２回の水やりが必要です。うっかりするとすぐにしおれたようになりますし、これを繰り返すとダメージになりますので植え替えをお勧めします。

鉢や庭に植え替えをしたコスモスの水やりは、土が乾いたらたっぷりの水やりをします。この場合は過湿にならないようにします。植え替えの際に元肥と置肥を適宜、化成肥料を与えます。

花を楽しむ草花全般に言えることですが、長期間花を楽しむには花がらをこまめに摘み取ることがポイントです。花がらを放っておくと種になり、優先的に栄養は種の方にいきますから、自ずと花数が減ってしまいます。

秋も深まって花もそろそろ終わりかなという段階で種を採取したい場合は、花後約１カ月、種の成熟を待って採取します。

日が短くなると花芽を付ける秋咲き性のコスモスは短日植物の代表的なキク科の植物です。１日の夜の長さが11時間以上ないと花芽をつくらないので夜も明るい場所は避けましょう。夏咲きのコスモスも一晩中明るいところに置くと花芽をつけません。

「良い株を選ぶ」というのも大切です。花の色や蕾の多いものなど上部の方が気になりま すが、実は根元が肝心です。株元をよく見て茎が茶色くぶよぶよしているものや、枯れた 葉が腐って付いているようなものは避けましょう。

根元から緑色でしっかりした太い茎の多いものが良い株です。病気にかかっていないかのチェックも忘れずに。

暑い暑い夏がようやく終わりを告げ、これから秋本番です。ちょっと遠出してドライブがてらにコスモス畑・コスモス寺・コスモス街道など訪れてみるのもいいですね。