エアプランツを部屋に飾りたくて買ってくるのですが、うまく育てられずいつも枯らしてしまいます。育て方のコツや、育てやすい品種などあれば教えて下さい。

【エアプランツ】はパイナップル科の植物で正式には【チランジア】といって、数百種以上の品種があります。自生地では木や岩などに着生して、空気中の水分を葉から吸収して生きています。

土に植えず、空中でも育つのでエアプランツという名前から「乾燥に強く、水の要らない植物」と思われがちですが、実際にはとても水が好きな植物です。

原産地は中南米で、標高の高い乾燥地域に自生する『銀葉種』は明るい環境を好み乾燥に強く、熱帯地域の湿度が高い地域に自生する『緑葉種』はジャングルの樹が覆い茂った半日陰のような場所を好みます。エアプランツはこの２つに大きく分けることができます。

『銀葉種』は葉の表面がトリコームと呼ばれる銀色の細かい毛に覆われています。また、『緑葉種』はトリコームが無く、艶のある葉が特徴で乾燥に弱いので充分な湿度が必要です。

それぞれの生育環境を良く知っていれば水のやり過ぎ、乾かし過ぎなどの失敗もなく、すくすく育てることができます。

乾燥地域に自生している『銀葉種』といえども水やりは不可欠です。昼夜の温度差が激しい乾燥地域では霧が発生しやすく夜間に水分を補給することができます。霧の水分をしっかりキャッチするためにトリコームで覆われているのも納得です。

ミスティングのミストとは、薄い霧のことです。霧吹きを使って葉全体に水分が行き渡るようにたっぷり散布します。エアプランツは昼間は気孔が閉じているので水分を吸収しにくくなっています。

春から秋にかけての水やりは夕方以降に、真冬は暖かい日の午前中にしましょう。2〜3日に一回程度を目安に水やりをしてください。

ソーキングとはエアプランツが余裕をもって入る大きさの器に常温の水を張り、その中にエアプランツを浸ける水やり方法です。ソーキングは月に1回程度を目安にしてください。

ソーキングの時間は4〜６時間程度、浸け過ぎてしまうと窒息状態になり弱ってしまうので注意して下さい。

ソーキングは、うっかりミスティングを忘れてカサカサで葉先が乾燥してカールしてきた、乾燥した日が続いた、旅行など長期間ミスティングできなかった時など、乾かし過ぎてしまったときの応急処置としてもソーキングは有効です。

水やりをした後は根元の部分に水が溜まりやすいので、エアプランツを逆さまにしてしっかり水を切り、風通しの良い場所に置くなどして葉が湿った状態が長く続かないようにするのがコツです。

エアプランツは直射日光に当てると葉焼けして傷んでしまいます。明るい日陰に置きましょう。特に真夏の直射日光は避け、最高気温が30℃を超える時期は涼しい日陰に置くと良いですね。

真冬は最低でも10℃以上あると理想的です。真冬のソーキングは水温が低いのでお勧めできません。

梅雨時期など湿度が高い状態が続く時もソーキングは控えて風通しの良い環境に置いてあげるようにしましょう。

基本的には肥料を必要としませんが、春と秋の成長期はミスティングやソーキングの水に液体肥料を薄めの希釈（1000倍〜2000倍）で混ぜて与えると良く育ちます。２回に１回程度の頻度で充分です。肥料の与えすぎは禁物です。

少しでも自生地の環境に近付けるように育てれば、大きくなって子株ができたり、花が咲いたりした時には感動ものです。

お部屋のインテリアとしても土に植えないので空間を演出する 飾り方は無限に広がります。吊るしたり、ガラスの器に入れてみたり、あなたのアイデア でエアプランツのある生活を楽しんで欲しいと思います。

【育てやすい品種】
銀葉種：イオナンタ・ウスネオイデス・コットンキャンディ・テクトラム・ハリシー・
カブトメドゥーサエなど
緑葉種：ストリクワ・ブルボーサ・トリコロール・ブラキカウロス・アエラントス