ミニ観葉をお部屋に飾りたいと思うのですが、土に植えたものだと臭いや虫の心配などがあります。水やりで底から出てくる水も清潔感がありません。土を使わない「ハイドロカルチャー」で育ててみたいのですが、水だけで大丈夫ですか？

リビングや玄関などで観葉植物を育てている方も、お部屋の出窓やちょっとした棚などを飾る小さなサイズのミニ観葉は育てにくいと思っていませんか？大きな鉢の観葉とは違い、水やりのタイミングも分りにくいし、うっかり倒してしまいそうで心配…ですよね。

ハイドロカルチャーとは水耕栽培のことで、土を使わずに水と、植物を支える人工用土(レカトンなど)で育てることです。

今回はちょうどウチのお店のスタッフがハイドロカルチャーの作品展と体験教室を開いていたので、そこへお邪魔したときの『可愛い体験者』の画像と共にお話していきたいと思います。

（１）容器：底に穴が開いていないものならなんでも利用できます。植物が根を伸ばすことができる深さがあり、透明で中が見える容器を使うと水加減が分かりやすいのでお勧めです。

（２）ミニ観葉：土を完全に落として根洗いしたミニ観葉か、もともと水耕栽培で売られているミニ観葉を使います。

（３）人工用土：土の代わりになるもので保水性と通気性に優れています。レカトン・セラミス・ネオコール・カラーサンド・カラーポリマーなどがあります。今回はカラーサンドとハイドロコーンを使っています。

（４）根腐れ防止剤：ミリオンA・焼成ゼオライトなど、容器の底に入れておくことで水質浄化作用があります。カラーサンドはこのゼオライトに色付けしたものなので、カラーサンドだけで植え付けることもできます。

用意ができたら植えるのはあっという間です。用意した器にミリオンＡならひと並べ程度、ゼオライトなら用土全体の1/5程度を底に入れます。

その次に容器の深さと植物の根のボリュームを見ながら、ハイドロコーンを少し入れます。植物の根を片手で浮かせるように持ちながら、根と根の隙間にハイドロコーンをしっかり入れながら植え付けて完成！表面に再びカラーサンドをのせてもいいですね。

水は始めに容器の1/5の分量を入れ、底の水がなくなってから2〜3日後にまた1/5まで入れます。常に水があると根が呼吸できない状態になって根腐れの原因になってしまいます。上手く育てるポイントは、底に水がなくなってもガマン、ガマン！

また、根腐れ防止剤の効果は約1年です。年に一度は植え替えをして新しいものを底に入れてあげましょう。

肥料は観葉植物用の液体肥料で良いですが、希釈の割合を考えるととても少量になって軽量しにくいので、ハイドロカルチャー専用の肥料が使いやすいと思います。

植えつけて2〜3週間経ってから、その後は1週間に1回の目安で与えましょう。 肥料は濃ければ効くと思っていたらタイヘン！濃度の濃すぎる肥料は却って植物を傷めてしまいます。表示の希釈を守って与えましょう。

ハイドロカルチャーは土を使わず清潔で無臭なので、バスルームやキッチンなどに飾るの もお勧めです。カラーサンドを層にしてみたり、ミニチュアの動物や貝殻などをあしらってみても楽しいですね。

【レカトン】
ハイドロボール・ハイドロコーン・発泡煉石などと呼ばれる。粒状で多孔質の人工用土。高温で焼かれているので無菌で清潔。

【セラミス】
ドイツ産の粘土を原料に高温で燃焼加工された顆粒状の用土。根に付いた土を残したまま植え付けることができるので、根を傷めることが少ない。

【カラーサンド】
根腐れ防止剤に使われるイオン交換石（ゼオライト）に、植物性の染料で色づけしたもので「レインボーサンド」などの名称で市販されている。イオン交換の働きで根腐れ防止に使われるものですし、軽くて保水性、通気性にも優れているという特徴がある。様々な色を組み合わせて、サンドアートを楽しむことができる。

【ネオコール】
炭を多孔質セラミックスで包んで焼いたもので、炭と同様の機能があるので、消臭や雑菌の繁殖を防止してくれる。さらにマイナスイオン効果もある。

【カラーポリマー】
カラフルな色のついたゼリー状の高吸水性ポリマーで、マジックソイル、ジュエルポリマー、ジェリーボール、マジッククリスタル、レインボーゼリーなど様々な商品が市販されている。透明な器を使用することで、そのカラーとプルプルを楽しむ事もでき、特に夏などはインテリアグリーンを涼しげに演出することができる。

《ハイドロに向いている植物》
ポトス、ヘデラ、アイビー、スパティフィラム、テーブルヤシ、コーヒーの木、クワズイモ、アスパラガス、プミラ、ワイヤープランツ…など。