玄関先やベランダにお花があると華やかで良いなぁと思うのですが、この時季はどんなものを植えたらよいでしょうか？

『暑さ寒さも彼岸まで』とよく言われますが、３月も下旬になると気温が低くても春の陽射しが暖かさを運んでくれます。そして、ちらほら桜が咲き始めると『いよいよ春が来た！』となんだかワクワク・ウキウキ、心踊る季節の到来です。

ソメイヨシノが開花する頃（３月下旬）の平均気温は10.7℃（関東以西）。植物は1日の平均気温が10℃を超えると活動期に入り、冬の間じっとしていたパンジーやビオラなども生育が旺盛になってきます。

秋に植えた一年草の見ごろはだいたい5月のゴールデンウィーク頃まで。まだ1カ月以上も楽しめますし、なんと言ってもこれからモリモリ株も充実して花も次々咲かせます。でも、今から植えたのではちょっと出遅れた感じ…今年の秋は早めに植えて長く楽しみましょう。（第31回　パンジー・ビオラの裏ワザあるある！参照）

実は、春先のこの季節だからこそ楽しめるという花々が園芸店の店先を華やかに彩ります。今から植えても満開のパンジー・ビオラに負けない、早春の花を使ったボリューム感たっぷりの寄せ植えをつくってみませんか？

寄せ植えは違う種の植物を同じコンテナで一緒に育てますから、日当たり加減・水加減・が同じ条件でよく育つもの同士の組み合わせでなくてはできません。

日があまり当たらない場所で、日陰の植物の中にひとつだけ日当たり大好きな植物を植えると徒長して、花が咲かなくなってしまいます。

また、乾かし気味に育てる過湿を嫌う植物を他の植物と一緒に植えると根ぐされして枯れてしまいます。

日向が好きで同じタイミングで水が必要な植物同士・日陰が好きで同じタイミングで水が必要な植物同士。というように、植物の性質をよく知った上で寄せ植えの花材選びをしたいものです。

また、苗を購入した時よりも、植え付けてからしばらくすると成長するにつれ、草姿は変化していきます。成長後の姿を知らずに植えるとバランスが崩れてしまい美しくありません。

奥には背の高くなるもの、中間にはこんもり繁るもの、手前や縁には垂れ下がるもの、というように成長した姿を想像しながら配置を考えましょう。

さて、花選びをしていきましょう。最初に選ぶのはフォーカルポイントとなる寄せ植えの中の主役です。

女性は小さな花が集まったように咲く小花を好む方が多いように思います。でも、小花は役割としては脇役に徹してもらい、主役はやはり大輪系で存在感のある豪華な花を選びましょう。

花の色は『大好きな色』で良いと思いますが、花から元気をもらいたい場合はイエロー・オレンジ系の暖色を。安らぎを求めたい場合は淡い色調でまとめたり、ブルーやパープル系で気持ちが落ち着く色を選びましょう。

そんなふうにフォーカルポイントが決まったら、同系色にするのかまたは補色(反対色)にするかなど色を合わせながら脇役の花を選びましょう。主役の花がいっそう引き立つ小花系の優しいイメージの花がよく合います。

フォーカルポイントにはラナンキュラス・アネモネ・オステオスペルマム・マーガレットといった華やかで存在感のある花を選びましょう。

背が高くなるので後方に植えたいのはローダンセマム・バージニアストック・オルラヤ・レースラベンダー・エニシダ・ネメシア・ブルーデージーなどです。

手前やサイドに植えるのはバコパ・イングリッシュデージー・イベリス・ネモフィラなどが横に広がるように伸びたり、垂れ下がったりして縁取りを演出してくれます。

今回ご紹介した花たちは、どれも日向が大好きです。寄せ植えを置きたい場所によっては、東向きで朝日しか当たらない、北向きで直射日光が全く当たらないなど、日当たりが不充分なケースもあるでしょう。

そんな場合は、一週間のうち半分でも南側の陽のよく当たる場所に移動すると良いですね。