今年もあと僅かとなりました。あっという間に長い冬がやってきます。寒くなる前にお庭をきれいにしておきましょう。樹木が成長しお花が咲く…きっといい2020年が迎えられると思います。

アプローチ(道路から玄関までをつなぐ歩道)に関するご質問がありました。

【ご質問】
●アプローチの素材選びで悩んでいます。何かおすすめはありますか？

● 最近、とりあえず砂利をしいたところが歩きづらく、困っている。

●アプローチとして敷いたレンガのすき間から草が生えたり、芝生が侵入してくるのですが。

● レンガを敷いたが、進行方向と違和感がある。もっと自然な感じにしたい。

などなど、来客はもちろん住む方のわが家への大切なアクセス手段となり、結構建物との調和を重視される、外構工事でも重要なポイントとなるアプローチについていろいろお話ししてみます。

アプローチの素材選びは重要です。その住まいの外構の「顔」といっても過言ではありません。

玄関ポーチとのつながり方や門柱・塀といった周囲の素材とのバランスもありどのようなプランにするかは設計者の考え方で様々ですが一番に重視することは動線です。

この動線確認によって道路や駐車スペース・門柱や門扉との関わりが見えてきます。しかしここでは、ご質問の素材についてのアドバイスを…

「シンプルに気に入った玄関ポーチと同じタイルでアプローチを仕上げる」

王道でシンプル。失敗も少ないです。 ところが駐車スペースと隣接・併用している場合などに、後のタイルが割れてしまう問題が多いのも事実です。

この場合、玄関ポーチの素材より高級にならない範囲で質感・色をコーディネートする素材選びがおすすめです。 具体的にコンクリート二次製品(最近はリアルでお洒落な質感のタイプも増えています。）や自然石貼りや洗出し仕上げも定番ですね。

より自然な感じにしたくてシンプルに化粧砂利などで通路を描いた方や、新築後に気にいった外構プランができるまでとりあえず…という方ですね。

「気に入った色合いの砂利を買ってきて敷き詰めました！とにかく安価に抑えるため普通の砕石砂利敷きを依頼しました」、これもれっきとしたアプローチです。

大自然の中の住宅や敷地が広大な場合にはおすすめです。シチュエーションもスニーカーやトレッキングシューズ・長靴のイメージですね。

しかし、折角敷き詰めたが歩きづらい、石ころが土に埋まって減った、砂利の色が泥で汚れるという場合は、下地の安定がオススメです。

雨上がりなど水はけが良くない土壌には、路盤の改善が必要です。車が通るならより必須です。 クラッシャー砕石などを安定する厚さまで敷き、しっかりと転圧します。

その上で砕石砂利や化粧砂利を敷きます。さらに砂利で仕上げる前に、防草シートを敷き込むと将来、砂利埋没による「砂利…そう言えば減ったな問題」も改善されるでしょう。

レンガに限らず、珪砂目地を使ったインターロッキング（コンクリートでできたブロック）や平板敷きもこの問題に直面します。

この場合、レンガにセメント系の目地を入れる仕上げ方にします（これは工事のグレートで言うと、費用がかかる工法となります）。

また、現在すでに草が生えて困っているという方は、除草剤を刷毛などで直接雑草の葉に塗布することで、まわりに影響なく除去できます。

曲線を描いたイメージのアプローチの場合、どうしても小さな作業が入って手間（費用）がかかった割に…「進行方向と違和感がある。もっと自然な感じにしたい」等と思われているケースも多く見られます。

四角いレンガを使ったアプローチで、形が決まりがちなところをアール感や自然な感じにしたいという場合は、レンガをあじろ貼り・バスケットウエーブ貼りを45度に敷き込むなどで回避できます。

タンブル感の強い耐火煉瓦などをランダムに敷き込むこともオススメです。

アプローチはその住まいの個性なので、何を使用しても間違いはないと思います。しかしながらアプローチを通って玄関が汚れた・靴のヒールが歩きづらく傷つく・ 歩いていて違和感があるなどは避けてもらいたいところです。

素敵なアプローチの際にブローチのように小花が咲いていると訪問客もきっと和むと思いますよ。