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今回は、こちらのご質問への回答です♪
「収納する物に合わせた食器棚を造りたいと思っています。参考までに、しましまさんのお家の造作食器棚の詳しい中身と、かかった費用を教えていただけるとうれしいです」
食器棚というと、第11回でご紹介したキッチンの背面収納のことですね。現在の棚や引き出しの中の様子と併せて、設計するときに工夫したところ等も解説していきたいと思います。
かかった費用ですが、他の方からも造作家具の価格についてご質問をいただいているので、家中の造作家具の金額を最後にまとめて掲載します。
わが家のキッチン背面収納は、吊戸棚とカウンター収納によって構成されています。それぞれのどこに何を入れておくかは、向かいにあるキッチン本体の配置に合わせて決めていきました(※写真参照)。
IH・調理台の対面に位置する(A)の部分には、主に調理中に使う食材や保存容器を。シンクに近い(B)には、水気を拭いたり絞ったりするクロス類を。食洗機に近い(C)には食器類を…という具合です。
もう少し詳しく見ていきますね。収納(A)の吊り戸棚の中には、そのまま食卓にも出せる耐熱ガラス製の保存容器や耐熱皿、水筒やトレイの類。下の引き出しと戸棚にはお茶関連や調味料、乾物や粉類などのストック食材が入っています。
特にこだわったのが、下の戸棚の構造です。このカウンター自体は作業台としての使いやすさを重視したため、奥行きが60cmもあり、収納としてはかなり深め。このままでは奥の物が取り出しにくいので、60cmすべてを棚として使うのではなく奥行40cmの棚+扉裏のポケット収納(20cm)に分けました。
扉裏のポケット収納は、この中ではもっとも手に取りやすい場所なので、すりゴマやわかめのような、よく使う物を入れています。奥の棚板部分は(40cmにしたとは言え)まだ奥行が深いので、収納する容器を持ち手付きや引き出せるタイプのものにして、サッと取り出せるようにしています。
そして、もうひとつのこだわりは…お茶を淹れるときに茶葉を選んだり、お湯をカップに注いだりといった一連の動作が、一歩も動かずにできる仕組みになっているところです(笑)。
カウンター中央にある(B)の引き出しには、主に布巾や台布巾、息子用のガーゼ等をまとめて入れています。洗い物の後にすぐ取り出せること、使用する前に水で濡らすという動作を考えると、シンクの真後ろに位置するこの引き出しは、クロス類の収納にぴったりでした。
クロス以外にも、引き出しの一番右の列には開封済みの食品パッケージを留めるクリップや輪ゴム・マスキングテープをまとめて入れています。マスキングテープは袋留めだけでなく、賞味期限を書いて保存容器に貼りつけるのに使うことが多いので、ペンと一緒にここに置いておくととても便利です。
残る(C)の部分が、わが家の食器収納になっています。ここは食洗機の対面に位置するので、食器を食洗機(洗いカゴ)から出して→布巾で軽く拭いて→食器棚に戻すという一連の作業が、一歩も動かずにできるのがうれしいですね。
引き出し収納は奥まで手が届きやすいので、小さな食器を納める分には、棚よりも使いやすい気がします。ただし、開け閉めするときの動きで食器同士がぶつからないように、底には市販の滑り止めシートを敷いています。
以上、わが家のキッチン背面収納の中身でした!使う場所からほぼ動かずに、1ステップで物が取り出せる&戻せる収納の仕組みができて、とても満足しています。
さて、最後にご質問のあった金額について。この背面収納の造作費用は、吊り戸棚が6万円、カウンター下台部分が15万円で、合計21万円です。
ちなみに、その他の造作家具は…
●玄関収納&パントリーの靴箱=9万円
●コート掛け&棚=9万円
●食品庫=7万円
●ワークスペースの書類棚=6万円
●ダイニングのカウンター収納=10万円
●リビングの書棚=10万円
●和室の小上がり下引き出し=2万5千円×2
●1階トイレの収納=6万円
●2階フリースペースの書棚=16万円
で、他の細かな造作も含めた総額は、約100万円というところです。
この金額が高いのか安いのか…判断の難しいところですね。わが家にとっては既製品でない造作を選んだことで、家具も家の一部として自由に設計できたのは、大きなメリットだったと感じています。これまでご覧いただいた通り、「造作家具でなければできなかった」仕様が盛りだくさんなので…。
また、最近多発している地震のことを考えると、置き家具ではなく耐震性の高い造りつけの家具にしておいて、本当に良かったと思っています。
もちろん費用もかさみますし、気軽に設置・配置の変更ができない、などのデメリットを感じることもありますが…。
金額は素材や仕様によって変わってくると思いますので、ご参考になったかどうかは分かりません。が、造作家具を設置したいと思われる場合は、こういった作業を得意とする業者さんと出会うことも大切だと思います。手間暇はかかりますが、その分だけ完成したときの使いやすさは満点のはず。
自分だけのオリジナル家具の設計、よかったら挑戦してみてください♪
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