今回は和室の完成編です。着替えたり、眠ったり、洗濯物を片付けたり…と多目的に使う「和室」の配置をもう一度ご覧ください。
キッチンや洗面、お風呂場での物音が、和室で寝ている人を起こさないように、家の一番奥になっています。実際どれぐらい防音できているのかは、また後ほど…。
こうした配置以外にも、
・ 床を小上がりにして、庭のデッキテラスと高さを揃える
・ 窓はリビングとつながった3連窓にする
・ その窓は引き込み式の障子で覆う
という要望もありました。
これは、以前にもお見せした「デッキテラスと繋がる小上がり」のイメージです(詳しくはこちらの回を)。
それでは、完成した和室をご紹介していきましょう♪
向かって左側が、小上がりの和室へと通じる引き戸です(右側は、既にご紹介したファミリークローゼットです)。 |
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これを開けてみると… |
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希望通り、左手の掃き出し窓の障子は、奥の壁に収納できる引き込み式です。その他には、これと言って何もない空間のようですが…実はいくつか、ちょっとした仕掛けが隠されているのです。 |
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まずは、奥に見える2本の長押。これは装飾として付けているのではなく、ファミリークローゼットの壁にあるものと同じ形状で、お客様のコートやバッグを掛けてもらうために設置しました。
この「お客様のコートとバッグを、どこに掛けるか?」というのは、家づくり当初から私の頭を悩ませていた問題でした。
玄関収納にはそんな余裕はないだろうし、家に来られて早々に、寒い玄関でコートを脱いでもらうのも申し訳ない。それに、小さいお子さんを連れている方は手荷物が多く、滞在中にそれらを使うので (おもちゃやオヤツ)、手近にあった方がいい…。
ならば、掛ける場所はLDK内がいいのでは?という結論に至り、LDKに隣接する「和室」を活用することを思いつきました。ここなら、普段は空いている場所ですから、お客様のコートも4、5人分くらいは掛けられます♪
また、下段の長押は地窓の障子の桟(さん)も兼ねています(右写真を参照)。
次に、和室の奥はどうなっているかというと… |
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このように、押し入れとファミリークローゼットへの扉が並んでいます。そして、この押入れには今回のタイトル通り、家づくり「ワースト3」に入るであろう失敗が…(涙)。 |
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よーく見ると、間取り図とは違うところがありませんか?
そう、扉が折れ戸から観音開きに変わっています!もちろん工事ミスではなく、わたしが工事の途中で変更したのです…。
成り行きはこうです。
工事現場で扉が付く前の押し入れを見たわたしは、間口が思っていたより狭いことに気づきました。そこで、幅を計ってみると…内側は113cmあるのに、間口は100cmギリギリ。ここに予定どおり折れ戸を付けると、間口は最大でも90cmぐらいしか開かないことになります
「押し入れには布団を折り曲げず、スッと入れられる幅の間口が欲しい!」と、アパート暮らしの時から願っていたのに…。このままでは、敷き布団(幅100cm)が出し入れしづらくなってしまうかもしれません。
だったら、扉を観音開きにしてみようか?
開閉するときこそ邪魔だけれど、いったん開けてしまえば、折れ戸よりも間口が広がるはず!と判断したのです。 |
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しかし、工事終了後。
ウキウキ&ワクワクしながら、完成した押し入れの戸を開けてみると…
な、なんと!!
ここまでしか戸が開かなかったのです。
そんな…観音開き戸は、開けるとこうなるはずでは…!?
冷静に考えると、戸が壁にあたらないように、ストッパーがかかっているんですね。
あぁ。こんなことなら、折れ戸の方がよかった…。
そして現在。予想通り、布団をしまうとき戸がぶつかって、ストレスです(笑)。 |
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最初は折れ戸にするつもりだっただけに、残念!
今は建具屋さんに、ストッパーを外せないか交渉中です。
押入れの扉… みなさんは気を付けて下さいね (汗)。 |
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さて!気を取り直して、押し入れ内部のご説明を。
ここは収納力・通気性を重視して、3段のスノコ棚を付けました。
これはアパート時代の布団生活の経験から、「より使いやすい布団収納」を目指して考えだした設計です。
普通、押し入れには敷き布団をしまい、その上に掛け布団をしまいますよね。
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でも、これだと
・ 掛け布団を畳んで、脇に避ける
・ 敷き布団を畳んで押し入れにしまう
・ 掛け布団をしまう
という3ステップ。布団を敷くときはこの逆で、
・掛け布団を出して脇に避ける
・敷き布団を出して敷く
・掛け布団を掛ける
…となります。
これだと「脇に避ける」という余計な手間がかかる上に、わが家の和室は4畳半。つまり2組の布団を敷いてしまうと、掛け布団を避ける「脇」のスペースが残らないのです!
そこで、
・掛け布団を畳んで押し入れにしまう
・敷き布団を畳んで押し入れにしまう |
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という2ステップで済むように、掛け布団と敷き布団の棚を分けるというアイデアを考えつきました。
掛け布団と敷き布団の棚を分けるというアイデアを考えつきました。
また、布団をしまう位置は、高すぎても低すぎても腰にやさしくないので、ベストな高さを測って決めました。 |
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最後は、気になっていた音についてです。
この、リビングへの引き戸を閉めただけでも、それなりの防音効果が感じられます。もちろん、キッチンの水音も物音も聞こえてきますが、大分くぐもった音になるので、眠りを妨げるほどではありません。
さらに、リビング−ダイニングとの間の引き戸も閉めてみると…びっくり!!水音は、ほとんど聞こえなくなりました♪例えて言うなら『耳栓を付けたような感じ』です。
完全防音とまでは行かなくても、「安眠できる和室」という希望は、十分に叶えられていると思います。 |
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長くなりましたので、和室の紹介はここまで。
次回は「室内物干」スペースです!
ちょっと珍しい場所に、またまた仕掛けをたくさん(笑)施してつくりました。それでは、お楽しみに♪
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