「明るく・広く・すっきりとした和風の玄関」という要望は、どこまで実現できたのか…今回はその全貌を、実際の写真でお伝えします♪ まずは前回掲載した玄関の間取りをもう一度ご覧ください。

道路側から観ると、少しちょっと奥まった玄関です。内部は「2.5畳」ながら、できるだけ広く見せる工夫を盛り込みました。
まずは玄関の外観から…

デザインのポイントは、ダークグレーの外壁全体に対するアクセントとして、ここだけ白いジョリパット塗装（塗り壁）にしたことと、ケイカル板の予定だった軒天を「どんな木でもいいから、木材にしてください！」とお願いして叶えてもらったこと。木目の映える、優しい雰囲気の外観になりました。

ではでは、中へどうぞ〜。

2.5畳の玄関…いかがでしょうか？
わたしとしては、思っていたよりも広く感じます！建築士のＳさんの「上がり框を斜めにとる作戦」も効いていますね。要望通り、板の下に奥行30センチほどの隙間があいているので、サンダルや脱いだ靴はここに隠して、空間をすっきりと保っていきたいと思います。

ささ、そのまま室内へどうぞ〜。

お客様をお通しするときのことを考えて、室内への開口を当初のプランより広くしてもらいましたが、この引き戸を全開にすると開放感もあり、大勢での動線もスムーズになりました。

先日の８人の来客時にもごったがえすことなく、スムーズに出入りができていたので、これにも大満足♪

次は、気になる明るさチェック。
明るくするための対策として、玄関ドア（引き戸）の片袖をガラスに！ここから採光となります。

さらにＳさんのアイデア、広くみせるためでもある「地窓」をつけて明るさアップ！

これが予想以上に、採光に役立っています！
光が少なめになるかも？と心配していた玄関ですが、これらのアイテムのおかげで引き戸を閉めた状態でも、このように↓ダイニングまで玄関から明るさが伝わってきます。

最後は、アイテムチェックです。
いろいろと細かく、欲しいものを挙げましたが…

【軽い引き戸の玄関ドア】
軽く開閉できて、扉を全開すると開いたまま＆途中で手を離すと勝手にしまるという、LIXIL（トステム）のエルムーブというドアにしました。ほかにも気に入ったドアがあったのですが、わが家ならではのこだわりがありまして…。

それは、引き戸が「家の外側、内側のどちらに引き込むタイプのものか？」ということです。

内側に引き込むもの＝扉が室内にスライドし、レールも内側。わが家の場合、室内の上がり框が玄関ドアの近くまで迫っているので、それだと掃除が大変です！なので、外側にスライドする、この玄関ドアを選んだというわけです。

【濡れた傘・小物置き場・コンセント】
地窓の上に配置した２段の傘かけバー。その上の棚は、ちょっとした小物を飾るスペースになっています。端上にコンセントの差し込み口もつくりました。これで蚊取マットやアロマディフューザーなどの、電気を使う物も置けます♪

この傘かけバー。思いついた当初は、市販のタオルバーなどで手軽に代用できると思っていました。ところがタオルバーだと、バーと壁の間の距離が狭く、傘の柄が入らない！ということに後から気づいたのです。だからといって、造作すると予算オーバーになりそう…。そのとき「バーを受ける部分だけ、木で造作してもらえばいいのでは？！」というアイデアをひらめきました。

こうして、上の写真のような木材の造作部分と市販のキッチンバーを組み合わせた、オリジナルの傘かけバーが完成したのです♪

ちなみに、この傘かけバー、なぜ２段になっているかというと…下の段があることによって、濡れた傘の先が壁に触れるのを防いでいます。これもＳさんのアイデア。さすがプロフェッショナルです！

【手すり】
靴を脱ぎ履きするときに、つかめる手すりがあると安全ですし、壁に手をつかなくて済むので汚れ防止になる！と思い設置しました。

これも当初は玄関ドアの側に、床から天井までの造作アイアンポールを直立させたいと思っていました。ところが現場監督から「たわみますよ」と言われ、あきらめることに。

かといって、壁付けにするにもつける場所がなく、やむを得ず、傘かけバーの横の壁に設置することになりました。

これは、少し失敗だったような（汗）。
わざわざ土間の奥の狭いところまで行って、靴を脱いだり履いたりする人はほとんどいません。みんな、玄関ドア近くの広いところで脱ぎ履きしますから…。でも、他に解決策がなかったので、「よし」とします。

できあがってみると、わたしたちのこだわりが叶えられたのはもちろんのこと、細部にＳさんの優しさを感じるこの玄関。要望通り広く、明るく、とても使いやすい玄関になりました！

次回は、隣の「シューズクローク＆パントリー」についてです。こちらも動線から内部の収納設計まで、細かな検討を重ねたスペースです。お楽しみにお待ちくださいね〜♪