スウェーデンのコロニーロット（貸し農園）には、手作りの小屋が建てられている、というお話を前回のエッセイでご紹介しましたが、今回はその小屋について、写真と共にもう少しご覧いただきます。

コロニーロットに建てられている小屋は、借り手自らが建てた物です。手作り大好きなスウェーデン人にとっては、こんなの朝飯前？！といわんばかりに小さいながらも凝った作りになっています。

伝統的な赤い外壁の小屋が圧倒的な人気ですが、玄関周りのテラスや、屋根の『けらば』のデザインなど、ディテールに工夫が凝らされていて、作り手の個性とセンスが光ります。

小屋の中には、キッチンやトイレなどの水回りの設置は認められていないので、基本的に泊まることはできませんが（中には泊まる人もいるとか…）、休憩用のデイベットなどは置いてもよいのです。コロニーロットの小屋は、外での暮らしを楽しむための小さな拠点であり、庭と共にあるべき風景のひとつなのです。

話は少しずれてしまいますが、私の夫はスウェーデン人で、住宅の設計を仕事としています。設計の際には、様々なことを検討しなくてはなりませんが、その中でも最も考えることのひとつは、周りの風景との調和だと言います。

周りの景色に自然にその家が馴染んでいること、家にはそれを引立てる庭が必要で、庭にはそれに相応しい家が必要。そんな考え方は、スウェーデンのコロニーロットの発想にも現れている気がします。