スウェーデンのダーラナ地方は、スウェーデンの田舎の原風景ともいえる、美しいエリアです。森と湖、赤い外壁の木の家、ポストカードに出てきそうなパーフェクトなThe.スウェーデン！のイメージです。

スウェーデンの人は全般にそうですが、特にダーラナ地方に住む人たちは、伝統的な文化を大切に継承しています。

この地で有名な工芸品のひとつに、ダーラナホースという馬の置物があります。『ダーラナホース＝スウェーデンのお土産』というくらいスウェーデンを代表するメジャーなもので、どの家庭にも必ずひとつはあると言っても過言ではありません。

その昔長い冬の間、暖炉のそばで要らなくなった木の断片をナイフで削り、子供たちのおもちゃとして、馬の形を作ったのが始まりと言われています。

その後、現在のような赤い色（この赤い色はスウェーデンの家の赤い色と同じ原料となった、この地方から産出される銅が原料となっているのです）が塗られ、クルビット風という絵付けの方法で模様が描かれたりして、現在のようなダーラナホースのスタイルになっていったのです。

数年前ダーラナ地方のダーラナホースを作る老舗の工房を訪ねたことがあります。私の夫の実家のあるスモーランド地方からは車で６時間くらい。

長い森のドライブでした。でも、白夜の頃のスウェーデンの自然の景色は最高に美しく、飽きることなく眺めていられます。工房は小さな村にありました。ちょうど夏休みで家族連れが多くて、賑やかでした。

ここではダーラナホースを作る過程も順を追って見学できるようになっています。こんな工房訪問もスウェーデンの田舎の人たちの小さな夏の楽しみです。