vol.6 ありますか? 心のすみか。

インテリアのアドバイスをするときに、「どんなお部屋にしたいですか?」と質問すると、漠然とした答えが返ってくることがよくあるんです。

「おいしそうに見えて、食欲が増すキッチン・ダイニングが作りたいんです」とか、「仕事の緊張がほぐれて熟睡できる寝室が欲しい!」など。
リビングでは会話が弾む場所、あるいは時を静かに楽しめるような雰囲気にして欲しいという声も多いんです。
――気持ちの解決を望むお客さまがなんと多いことか!
こんなとき、私はまず色の持つ治癒力を説明しています。なぜなら、メインの色を変えるだけで気分を慰めたり、高めたりできるからです。

心の感覚は、目で食べ・目で遊び・目で休むと言っても過言ではないほど、視覚に80%左右されると言われています。なので私は、色彩が与える一般的な心理イメージを使って、カラーの仕掛け技をいつも提案しちゃうんです。

大まかに言うと、赤はエネルギーを沸き立たせる・晴れ晴れ・興奮。
黄は陽気・ハッピー。
緑は安らぎ・リフレッシュ。
青は集中・鎮静・クール。
黒はカッコいい。
白は清潔・さわやか・シンプル。
茶は渋い・暖かみの……といった要素を持っています。
ね? そう言われればそんな気がする、って思いませんか?

色は、たくさんの心の栄養剤を持っています。これを無視して、コントロールしたい心は手に入りません!
例えば暖色系の色が大好きな人が、なかなか眠れず、不眠に陥っているとします(心理的に何の問題も抱えていなければ、好きな色だけに囲まれていても何のダメージもないのですが……)。
この人の寝室が、赤や黄色でコーディネートされているとしたら。心が休まるはずありませんね。こういうときは、メインの色を青や白、茶に変えて、アクセントに好きな色みをもってくるというアドバイスにします。

ただ、色みは濃さ(トーン)によっても心が受け取る感覚が変わってくるので、次にトーンを考えます。
バラ色・オレンジ色のような鮮やかなトーンは活き活きしたイメージを。こげ茶・グレーのような黒味を含んだトーンは落ち着いたイメージを。クリーム色・スカイブルーのような白みの多いトーンはやわらかいイメージが秘められています。
トーンも考慮すると、先の寝室の色みは鮮やかな青や茶でないことがわかりますね。このように、色みとトーンを使えば、ゴチャゴチャしていた家も心のすみかへ大変身です。

先日、色の心理を巧みに操ったレストラン兼BARを見つけて感激しました。
この2枚の写真は、一枚の間仕切りを隔てて同じ空間にありましたが、部屋の明るさが全然違うと思いませんか? 2つの顔を持つすばらしい空間色彩の使い分けがここに隠れていました。

夜の場、BARとしての顔は、ダークな木目色の家具に同系色、同トーンの深い色合いを、カーテンや小物に使用しています。これによって、重厚感ある空間に仕上がっています。キャンドルの灯火と夜景があいまって、腰を落ち着かせて飲める雰囲気がうまく表現されています。
レストランとしての昼の顔の部分には、鮮やかな若葉色を組み合わせて生き生きしたイメージを出しています。まるで輝く自然の中にいるようで、ランチもいっそううまみが増しそうです。
また、この明るく感じられる黄緑の空間はお店の一番奥にあり、最も光が入らない暗くなるはずの場所にあったので、隅々にまで光が届いているような感じを与えて、お店自体も広く感じさせる錯覚マジックが使われていました。まさに一石二鳥のカラーテクニックです。

色を変えると心の刺激まで変化する……。
人の目、感情って不思議ですね。
上手に色みとトーンをチョイスして、思い通りの心の居場所を作りませんか?

次回は、大活躍する手作りインテリアをご紹介します。

 

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ページ公開日:2007年4月5日

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