お父さんの気持ちを聞いてみたい! そんな好奇心から生まれた「お父さんのナイショ話」は、一般公募で選ばれたお父さんたちによる子育てリレーエッセイです。
わが家の愛娘、マッヒー。
僕の通勤のパートナーです。
というのも、マッヒーは地元の認可保育園に定員オーバーで入ることができず、電車で1時間かけて僕の勤務先の近くの保育園に通わせているのです。
子供を連れて通勤電車に乗るというのは想像より大変です。
それでも僕は市街地とは反対方向に通勤してるので、通勤ラッシュとは逆方向の電車に乗っているのですが、座れることなんてまずなくて、さらに子供連れとはいえ通勤中の皆さんの視線は冷たく、席を譲ってくれることなんて皆無です。
雨の日も風の日も、毎日です。
こうなってくると、「お先に〜」と手を振って家を出ていく妻も、その妻に「ママ、いってらっしゃ〜い」と気軽に手を振るマッヒーも、ちょっとうらめしくなってくるときもあります。
でも、もちろん毎日1時間2人っきりでいると、いいこともあるのです。
会社の同僚のところと比べても、娘は圧倒的にパパっ子です。
保育士さんの名前を覚えるのも僕の方が妻よりずっと早かったし、マッヒーのお友達の名前だってたくさん知っています。そして何より、2人で過ごす時間は貴重です。
マッヒーが保育園に行き始めて半年が経ちました。
これまで娘が寝てから家に帰る生活が続いていたので、動いているマッヒーを見るのは週末だけの生活。
誰の手も借りずに1時間、娘の面倒を見ながら通勤することは最初は苦痛で、「会社に戻りたいんだけど」という妻の申し出を簡単にOKしてしまった自分自身を恨むこともありました。
が、保育園に迎えに行き、ちっこいテーブルをちっこいいすに座ったチビッコたちが夕飯をあむあむと食べている姿を見ると、小人の国を見ているようで、こんな姿を見られるのはちょっとした特権かもという気分になります。
最近はマッヒーもたくさんおしゃべりができるようになってきたので、保育園での出来事をいろいろとお話してくれます。
これが、一日の楽しみになっています。
たとえ「ご飯食べた。スープ飲んだ。お茶飲んだ。マナカちゃん遊んだ。のんちゃん遊んだ」の無限ループ会話地獄だとしても(笑)。
それにたまに、「子連れ」というだけで親近感を持ってもらえるのか、電車の中で子連れの若いママさんに声をかけてもらえることもありますし。
マッヒーをだしにして、自分から声をかけることもできますしね。
子供がいなかったらただのナンパ君ですけど、子連れっていうだけで仲間意識が芽生えるから不思議ですね。
1日のうち、必ず娘と1時間向き合う時間があるというのは、とてもいとおしい時間を共有させてもらっていると思います。
これからマッヒーが大きくなるにつれ、1時間僕とじっくり毎日過ごしてくれることなんてなくなっていくでしょう。
そう考えれば、僕の勤務先の近くの保育園を見つけてきてくれた妻に感謝の気持ちも……いや、やっぱ毎日はちょっときついかな。
◆前回の執筆者からの質問
「子供から教えられたことは?」への回答◆
世の中は善意に満ちているということ。今まで道を歩いていても誰も僕に話し掛けてくる人はいなかったけど、娘と一緒にいるだけでいろんな人に笑顔で話し掛けられました。
「子供が生まれてから初めて知ったことは?」
マヒパパさん
31歳、エンジニア(自動車開発)。夫婦+子供1人の3人家族。夫婦そろって車が好き。そのせいか娘も車が好きで、ドライブのときには運転席に座りたがって困っているそう。現在、都内の学園都市に新居建築中。