お父さんの気持ちを聞いてみたい! そんな好奇心から生まれた「お父さんのナイショ話」は、一般公募で選ばれたお父さんたちによる子育てリレーエッセイです。
三男が生まれるとき、初めての育児休暇をとった。とる前は“明日から休みだ!”とウキウキしていたのだが、いざやってみると仕事よりハード。朝起きて朝食の用意、着替えさせたり、食器を洗ったり、洗濯したりしてるとアッという間にお昼。コーヒーを飲む間もなくまた昼飯の用意。用意ができた頃には食欲はゼロ。また洗い物をして掃除機をかけて、買い物に行って、晩飯の用意。自分の晩飯は作りながらのつまみ食いで済ます。また洗い物をして、忘れてた洗濯物をとりこみ、子供を風呂に入れて、やっとおしまい。一息ついたのが10時前。やっとくつろいでるとごそごそと起きてくる息子。『はやく寝ろ!』とつい怒鳴ってしまった。反省。3日も経つとすっかりやつれてしまった私。会社へ行きたいと涙ぐむ私。子育ての大変さが身にしみてわかった。
女房と同じことはできないことを悟った。お父さんの子育ては、のびのび大雑把が基本。部屋が少しくらいよごれてても死なない。メシは腹がふくらめばOK!風呂はカラスの行水!そんなことを教えてあげることができたらよいのだと、我田引水(苦笑)。
意図しなかったが、父親のふがいなさを目の当たりにしておかあさんへの感謝の心が子供たちに芽生えたようだ。 ほっとくと部屋は汚れるものであること。洗濯物は自動でタンスにしまわれていないこと。ゴハンを決まった時間に食べられることのよろこび。私も息子たちも、母親の尊さを知った育児休暇であった。それからは少しは自分で片付け、食器をならべたりするようになった男軍団である(笑)。
最近は、“男だって簡単な料理ぐらいできなくっちゃ!”とか“●●さんとこのダンナさんは家のこともよくやってくれるのよ”とか、いい父親へのハードルは高くなり、プレッシャーも大変な時代ですが、お父さんたち、共に頑張りましょう。 家族の幸せは、父親の幸せですから。
最後に、日本の父親を勝手に代表してひと言。奥様たちへ。ダンナは努力はしているのです。食器を洗えば汚れが残ってたり、片づけが雑だったり、掃除機をかければぶつけてクロスをやぶってしまったり…と腹立たしいことも多々あるとは思いますが、スグにあなたたちのようには到底できないので、慈愛の心で、長い目で、ひとつよろしくお願いいたします。m(__)m
ではみなさんメリークリスマス!
そして、よいお年を。
2009年がすべての家族にとってよい一年でありますように。
◆前回の執筆者からの質問
「子を思う親がせつなく感じた瞬間は?」への回答◆
食べ盛りの息子3人がご飯をバクバク食べてしまって、私の分がなかったとき。親としては頼もしく思いながらも、とてもとても切なかった(涙)。
サンタさんからのプレゼントは、子供が何歳まで続けましたか?
メタボン
46歳の会社員。兵庫県三田市在住。にもかかわらず三田牛や松茸をとんと口にしていない(笑)。子育てですっかりオッサンと化してしまった妻と長男・二男・三男の5人家族。趣味は歴史散歩・人間観察と読書。