お父さんのナイショ話〜ひそかな親ごころ〜

お父さんの気持ちを聞いてみたい! そんな好奇心から生まれた「お父さんのナイショ話」は、一般公募で選ばれたお父さんたちによる子育てリレーエッセイです。

vol.22 食材とおとうさん

周囲の家庭の話を聞くと、どうやらウチの子供は話し始めるのが早かったらしい。しかも、良くしゃべる。
言葉を話す前、意思疎通が出来るようになると楽になるねぇ、なんて妻と話をしていたが、なんてことは無い、泣き声で要求されていたことが、
言葉で要求(もしくは命令)されるようになっただけで、何も楽にはならないことが判明。
しゃべるようになったとはいえ、意思の疎通があるのではなく、
むしろ娘からの一方通行のコミュニケーションだったりする。


ところで最初の言葉って、みなさん何でしょう?
漫画や雑誌では「ママ」とか「マンマ」のような言葉で
感動なワンシーン・・・という風景を時折見るのだが、
我が家は「お父さん」「お母さん」と呼び合うし、ごはんも「ご飯」と言う。
昔から赤ちゃん言葉を使うこともまれだった。
そもそも、どういう風にコミュニケーションをとっていいかわからず、僕は最初、妻に注意されるまで生まれたてのわが子に敬語でしゃべりかけていた。
妻は途中から心がけてか「わんわん」「にゃんにゃん」など、子供が話やすい言葉を言うようになっていたが、僕は、さすがに、わんわん、とかは・・・。
そんなわけで、ファーストワードはなんだろう、という期待と不安が募る日々が続いた 。


実は最初にしゃべった言葉が何か、良く覚えていない。というより、ほぼ同時に複数の言葉を羅列するようになった。
「ねぎ」「つるつる(うどんのこと)」「なす」「きのこ」・・・。
むすめよ、お父さん、お母さんよりも、まずは食材か!
その次にはしゃべり始めたのはアニメのキャラクターの名前。
待ち望んでいた「お父さん」「お母さん」はずっと後になってからだった。


ところで、僕は大学の専門が言語学と翻訳だったこともあり、風呂場の中で言葉を教えるのがささやかな楽しみである。
一緒にお風呂に入って、最初に覚えた言葉は「ホクロ」。最近は「骨」。
妻に変な言葉を教えると覚えちゃうよ、と注意されても、すぐに覚えてくれるという吸収力の高さが面白くて、ついつい余計な言葉を教えてしまう。
いや、教えなくても口にするだけで覚えてしまう。

こんな娘と父親だが、言われて一番うれしかった言葉。
これだけはどんな家族でも一緒だと思う。  
「おとうさん、だいすき」  感動的な言葉と言うのは、いつでも後からやってくるものなのでしょうね。


◆前回の執筆者からの質問
「サンタさんからのプレゼントは、子供が何歳まで続けましたか?」への回答

今は子供が小さいので余り考えていませんが、
きっと早めに「正体はお父さん」とばらす気がします。
せっかく娘に喜んでもらえるのに、感謝されるのが「サンタさん」なんて、ちょっと寂しいので・・・。

次回の執筆者への質問

子供に言いたい『父親の自慢』は何ですか?

プロフィール

長野県出身石川県金沢市在住の34歳。
職業は経営コンサルタント会社で営業をする傍ら、 大学でキャリアプランの講師・講演などをしています。
妻(33歳)と娘(1歳8ヶ月)の3人暮らし。
趣味は異様に多趣味ですが、スポーツではロッククライミング、
インドアでは読書、料理などなど。
仕事柄勉強することが多いので、1ヶ月で15冊くらい本を読みます。
日に日に娘が大きくなり、抱っこするたびに持病の腰痛が痛みます。

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ページ公開日:2009年3月4日
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