お父さんのナイショ話〜ひそかな親ごころ〜

お父さんの気持ちを聞いてみたい! そんな好奇心から生まれた「お父さんのナイショ話」は、一般公募で選ばれたお父さんたちによる子育てリレーエッセイです。

vol.9 自分を映す魔法の鏡

去年の2月20日の午前3時ジャスト、休日料金+深夜割り増しという一番お金のかかる時間帯に、私の息子が生まれた。

予定日よりも1週間くらい遅れていたので、生まれる前から息子の「ひきこもり」を心配したが、分娩室に入って3分という速さで無事に生まれた。そして、息子がこの世界で最初にしたことは、助産婦さんにおしっこをかけるということだった……。

そんな息子もすくすくと育ち、早いものでもう1年以上の月日が経った。
息子は日々成長し、ハイハイして、立ち上がり、そして自分の意志を現すようになった。これが、なかなか大変だ。

例えば、息子がおもちゃで遊んでいるとき。何が面白いのかはわからないが、息子オリジナルな遊び方で熱中している。
そこで、遊び方を教えようと「こうやるんだよ」と手を出そうものなら、泣き叫んで怒る。それじゃあと、ほっといて本を読み出すと、今度はおもちゃを投げ捨て、私の本を読もうとする。
もちろん字なんて読めないから、めくりたいだけなのだ。
それならと、息子用の絵本を取り出して、一緒に見ようとすると、息子はテレビにクギづけで本なんか見ちゃあいない……。仕事で疲れているときなどは、さすがにイラッとする。

気ままで飽きっぽくて、他人に干渉されるのが大嫌い。
困った息子だ……と思ったところで、ふと気付く。
これは自分自身だ。今まで生きてきて、自分で「直したいな」と思ったところを見事に受け継いでいる。変な仕草までそっくりで、ものまねタレントに大げさに真似をされているようで、お尻の穴がムズムズする。
それはまるで、映画などによく出てくる「自分の本当の姿を映す鏡」を見せられているかのようだ。

だから、息子に「ダメだろ!」と叱っているとき、心の中のもう一人の自分は「そうだよね」と反省している。この自己問答は、これからもずーっと続いていくのだろう。
そう考えると、冷たい滝に打たれたり、何時間も座禅を組んだりしなくても、子供を産んで育てることが、「悟り」に一番近づける修行なんじゃないかとさえ思えてくる。

この、子供を育てるという修行は、なかなか辛いときも多い。
好きな映画もほとんど行けなくなったし、パソコンは壊されるし、ため息が出ることもしばしば……。
でも、どんなに辛いと思っても、息子の「笑顔」がすべてを吹き飛ばす。
この笑顔は、はっきりいってズルい。
この笑顔が見れるのなら、どんな修行も耐えられるだろうし、この笑顔を見るために、これからもがんばってしまうのだろう。

しかし……。
そんな思いと裏腹に、息子が一番の笑顔を見せるのは、街で綺麗なお姉さんと目が合ったとき。
そんな「自分に似ている」息子を抱きながら、妻の冷たい視線に冷や汗を流す修行の日々は続く……。


◆前回の執筆者からの質問
「子供を見ていて『親子だなぁ』と思う行動やしぐさは?」への回答◆

上記(原稿)のようにすべての行動に対して感じます。中でも、一番感じるのは、本をペラペラとめくっているときです。読まない(読めない)のに、なんとなく手に取り、めくっているというところがそっくりです。

 

次回の執筆者への質問

子供にやらせてみたいと思っていることは?

プロフィール

かえるパパさん
34歳、会社員。東京都在住。妻(31歳)、息子(1歳)との3人家族。趣味は、映画鑑賞。「最近は貸し農園での、農作業に力を入れています」。

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ページ公開日:2008年4月26日
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