お庭を立体的に構成したり狭い場所を利用して大きな日陰を作るなど活用範囲が広いことも魅力のつる性植物。トレリス、アーチ、パーゴラ、壁面などに誘引してセンスよく取り入れていきたい植物です。

つる性植物の性質上、何かに絡めたり寄りかからせたりといった仕立てをする必要があります。どのような仕立て方がご自宅のお庭に向いているのかを考えてみましょう。

【トレリス・フェンス】
トレリスやフェンスにつる性植物をつたわせて隣家とのパーテーションなど狭小スペースで有効利用できます。景観を重視する場合は花の美しいものを、目隠し効果を狙うなら葉が密生する常緑性の植物を選びましょう。

【パーゴラ】
テラスやデッキにあるパーゴラに誘引すると、春〜秋にかけて日差しを遮る緑陰を作ってくれます。フジやブドウなど下垂するものも楽しい。

【アーチ】
外出先から帰ってきてアーチをくぐり抜けると我が家モードにリセットされる、気持ちの切り替えポイントのようなアーチは花でいっぱいにしたいもの。薔薇やジャスミンなどを使うと香りでもリラックス。

【壁面・塀】
殺風景なブロック塀やコンクリート塀などをカバーするには長く伸びるツルを活用しない手はありません。味気ない壁面をみずみずしく演出してくれます。
壁面にトレリスを取り付けたり、伸びたツルを塀の外側に下垂させると道を通る人も楽しめます。

【ポール】
狭い庭などに向く仕立て方で、木製の棒などを使います。要所要所に長めの釘を打っておくとつるが絡まりやすくなります。

つる性の植物は成長のしかたの特長で次の4つのタイプに分けることができます。仕立て方と将来どのようにしたいのか、目的に合った植物を選びましょう。

１，巻きつき植物
支柱などのまわりにらせん状に巻きつく。《クレマチス・アケビ・ルリマツリ・アサガオ・ロニセラなど》

２，巻きヒゲ植物
ある物体に接触するとそれを掴むように変形する葉・枝・花茎をもつ。《ゴーヤ・ヘチマ・スイトピーなど》

３，寄りかかり植物
トゲの一種のはんえんこうの助けを借りて上昇する。《ツルバラ・ツタなど》

４，這い上がり植物：
小さな根の吸盤などによって這い上がる。《ヘデラ・ハツユキテイカカズラ・ツルアジサイなど》

つる性植物をうまく利用することで、花壇やプランターだけでは演出できない立体的で変化に富んだお庭になると思います。ぜひチャレンジしてみてください。